MS開発秘録

MSN-02 ジオング

MS開発秘録

MSN-02 ジオング

FILE No.017

MSN-02 ジオング

MSN-02 ジオング

当初MS-16Xとして開発計画が承認された本機は、サイコミュと名付けられた脳波誘導伝達システムを火器管制装備として搭載運用するために設計試作が行われたモビルスーツである。同機にはジオンにおける次世代モビルスーツとなることを祈念して、開発計画当初より通用呼称にジオングの名称が与えられていた。また同機の製造開発に並行して、誘導火器管制システムの運用母機としてMS-06Fから改造されたMS-06Z(MS-16Xのダウンスケール検証機)の実働試験も合わせて行われ、これらを含む進行計画には全体名称として「ビショップ計画」のコードネームが用意されたことが記録確認されている。
総帥直轄のジオン本国防空本隊の誘導兵器開発部管理下で進められた本計画は、その後各方面軍での運用に向けて重機動戦術兵器として個別に開発されるモビルアーマー等に先駆けるものであったことから、その扱いはあくまでモビルスーツとしての立ち位置をもって進められた。そのため計画最初期の設計時点にして搭載予定の大型ビーム砲と専用ジェネレーターの容積から完成全高は約38m(40m説もあり)になることが試算されており、他の通常攻撃型モビルアーマーの進捗状況から、モビルスーツ形態に固執する必要性については早い段階から部内でも議論がなされていた。本機の形式承認番号にはモビルスーツを示すMS-16があてられていたが、各種モビルアーマーの開発とサイコミュシステム搭載機が混在することから、あらためてMSN-02(初のニュータイプ用モビルスーツ機番MSN-01にはMS-06Z 2号機改装の試作実験機が当てられた)の開発番号が付与されている。
ア・バオア・クー要塞の兵器工廠で製作が進められていたMSN-02ジオングは、搭載されたサイコミュシステムの操作に適合するパイロットが得られないまま、その実用試験(空戦とビーム砲の試射)が行われていたが、ア・バオア・クー攻防戦の折には調整中の脚部ユニットを2,3号機と共に工廠に残し、稼動状態にあった試作1号機(一部装甲未装着)はシャア・アズナブル大佐の操縦で実戦参加した。この時点での1号機は脚部を持たない状態で大型ロケットエンジンに換装されていた。工廠区画において擱座状態で発見された機体は戦後の調査で2号機だとされている。
(※一部に「MS-16」の機番は欺瞞に使われた番号であることを示す資料もあり、地上戦用に製作された重火砲支援型YMS-16M、有線誘導式サイコミュ搭載型モビルアーマーでMS-16X-1とされる機体も記録のみが存在する。ア・バオア・クー陥落後の一部ジオン将校によるグラナダ撤退作戦で、ジオングの出撃が視認されたとするのはこの機体である可能性が高い。)
ビショップ計画の最終段階では、機体全体レイアウトをモビルスーツ型としたMSN-03ジオングも設計されており、この機体では無線誘導で機体各部を7ブロックに分離して独立攻撃ユニットとすることが考えられていた。02型が頭部ユニットと両腕のビーム砲ユニットを分離独立使用(試作機は有線誘導式で製作された)できるように製作されていたのは、この03型の設計案に起因するものだと考えられる。

※本企画の構成、テキストは当時MSVの設定考証企画に参画していた小田雅弘氏の協力をもとにROBOT魂 ver. A.N.I.M.E.用に書き起こしたものです。公式設定とは異なる場合がありますのでご了承ください。

※本企画の構成、テキストは当時MSVの設定考証企画に参画していた小田雅弘氏の協力をもとにROBOT魂 ver. A.N.I.M.E.用に書き起こしたものです。公式設定とは異なる場合がありますのでご了承ください。

Product Tree

※画像はイメージです。実際の商品とは異なる場合がございます。

※画像はイメージです。実際の商品とは異なる場合がございます。