MS開発秘録

MS-07B-3 グフ・カスタム

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MS-07B-3 グフ・カスタム

FILE No.021

MS-07B-3 グフ・カスタム

MS-07B-3 グフ・カスタム

一年戦争末期におけるジオン公国軍、地球連邦軍双方の兵器開発状況は、実は未だ正確には記録が体系づけられていないとされている。記録の拾遺を巡っては戦後に散逸した実戦部隊の記録によって明らかとなったケースも少なからず存在する。従前までに編纂された資料では、開発承認を受けた機体は機番更改による主力機の更新ととらえられてきたが、ジオン公国軍では各方面軍の管理下で個別に機体のアップデートが計られたことが判明している。製造メーカーの開発チーム以外に、現地工廠でそれらが行われた背景には、ジオンの補給線を考慮したモビルスーツの結節部設計の規格化が大きく影響していた。開戦に伴い国力の不足を鑑み、戦闘で損傷した部位の交換を容易にするため、本国の製造各社へはそうした設計上の規格化が厳しく言い渡されていた。無論製造工廠で多少の変更が行われた場合も、この点については厳格に統制が守られていた。これはおそらくジオンの体質によるものだと考えられる。
近年、統合整備計画が発令された前後で同一機番のモビルスーツに明らかな差異が確認できたとする検証が行われており、ジオン初の陸戦用モビルスーツMS-07グフにおいても開発機番A型、B型、C型、H型では用途を特定した枝番が継続して承認されていたことが確認された。主力機番のMS-07B型機においては固定武装を重視した格闘戦用モビルスーツとして性能を特化させた機体であったが、統合整備計画では外部携行兵装共有化の見直しが行われた。当時主力機はMS-06、並びにMS-09シリーズが展開しており、07型でもこの点は前線での配備状況から通常型マニピュレーター仕様への見直しが上申されていたのである。
06型ザクよりも耐弾性に優れた複合装甲を持ち、地上での運動性能に優れた07B型グフの再評価では、固定武装は一部外部装着に改められた。右腕のヒート・ロッドは近接戦での有効性は継続して認められ、ロッドの径はより細いものへと改められた。これは対応部材の強度と耐熱性向上で可能となったもの。左腕に内装されていた5連装75mmマシンガンは外部装着式に変更となり3連装35mmへ。また外装式シールド(現地部隊での呼称はガトリング・シールドであったとされる)はシステムコンポーネントの再構築化が行われ、75mmガトリング砲の着脱化を可能とした。これは07型シールド(再設計で小型化された)にのみ構成された外部兵装である。給弾システムも携行弾数を増強するためドラムマガジン方式を取っている。さらにシールドには内側にヒート剣(ヒート・ソード)を内装可能としている。外部装甲材の避弾経始は見直しが行われており、全体のシルエットは同じながら、各部形状は原型機のB型とは異なっている。生産機数の詳細は不明だが連邦軍モビルスーツ部隊との交戦地域を中心に配備が行われた。この発展型については機番分類上MS-07B-3があてられている。生産型のMS-07のなかではもっとも洗練された機体であり、地上戦用モビルスーツとして総合性能に優れたものであった。使用者に応じた各部の稼動調整にも幅を持たせており、性能はより高いものを引き出すことも可能であった。

※本企画の構成、テキストは当時MSVの設定考証企画に参画していた小田雅弘氏の協力をもとにROBOT魂 ver. A.N.I.M.E.用に書き起こしたものです。公式設定とは異なる場合がありますのでご了承ください。

※本企画の構成、テキストは当時MSVの設定考証企画に参画していた小田雅弘氏の協力をもとにROBOT魂 ver. A.N.I.M.E.用に書き起こしたものです。公式設定とは異なる場合がありますのでご了承ください。

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※画像はイメージです。実際の商品とは異なる場合がございます。

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