RX-78GP04G ガンダム試作4号機ガーベラ
MS開発秘録
RX-78GP04G ガンダム試作4号機ガーベラ
FILE No.013
RX-78GP04G ガンダム試作4号機ガーベラ
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UC0081年に発動したガンダム開発計画では、モビルスーツをあらゆる戦闘状況を想定しカテゴライズし直し、最良かつ最強の機体を開発することが目標に据えられた。 RX-78型で実証された換装型モビルスーツの長所を再構築し、基本設計から量産を目して高効率化を目指した設計案は、徹底的な汎用性を落とし込んだ格闘戦用攻撃機の第一試案、核攻撃を主眼に置いた重装甲強襲攻撃型の第二試案、拠点防衛および拠点攻略用大型モビルアーマーと操縦中枢モビルスーツの第三試案、そして宇宙戦闘用に特化した強襲型の第四試案に集約され副案を並行して模索しながら実機開発が進められた結果、立案からほぼ2年間という時間でこれら全ての機体は試作機が完成することになった。実際に機体の設計製造を行ったのは、その後も事業拡大を図ることになるアナハイム・エレクトロニクス社である(地球連邦軍は企画立案と予算形成は行ったが実質はこれらを全て委託した形である。そのため様々な詳細記録は地球連邦政府並びに連邦軍の完全な掌握下に収まることはなかった)。 これらの機体はまったくの新設計ではあるものの、地球連邦軍の威容を示す一環から開発コードを含むものとしてRX-78GPシリーズの形式番号が付与承認されている(しかし時を置かずして勃発したデラーズ紛争でこれらの機体は連邦軍が意図しない形で巻き込まれることになりGP01から03まで全てを戦闘で消失、特に秘密裏に開発されていたGP02Aが戦略核攻撃機であることを対外的に隠蔽するため、同年の防衛白書からはガンダム開発計画の一切の記録が抹消されている)。 別名アナハイム ガンダムとも呼ばれるこれらの機体は莫大な軍事開発予算の元に実機が製作されており、いわゆるモビルスーツ単体の能力・完成度の点ではUC0087以降に整備される第二世代量産型モビルスーツ群をはるかに上回るものとなっていた。特に計画案各機の基礎となるGP01の設計は、コア・ブロック・システムを活かした機体各部の実装・交換性に優れたものであり、重力下の作戦機、宇宙戦対応機などの仕様変更に対応できる文字通り汎用性に富んだコンポーネントが確立されており、後のムーバブル・フレーム設計の基礎を築いたと言えるものである。 大型高機動武装プラットフォームであるオーキスと接合することで操縦中枢コントロール機能に重点を置いたRX-78GP03Sステイメンは、いわば運用が特定されたガンダムであり、単機で宇宙戦用に特化した強襲型攻撃機として別設計となったのがRX-78GP04Gガーベラである。それまでのモビルスーツが母艦を必要とする足の短い艦載機であったことに対し、本型ではある程度長大な航続距離を視野に入れた機体運用を目指した設計となっていた。ここでもやはりコア・ブロック・システムで培われた複合外殻構想は活用され、単体で高機動戦闘に特化させたガンダム本体に対して、外装式プロペラントタンクユニットをバックパックにまとめたシュツルム・ブースター(部分的に武装コンテナ化する副案も設計されていた)を別途着装することで戦闘航続距離の延長および高速機動攻撃を可能としていた。 試作機はGP03Sステイメンとほぼ同時期に完成しており、機体各部のバーニアユニット(特に肩部)は脚部のレイアウトを踏襲したフォルムにまとめられているため、改修機GP01FbやGP03Sに比べ全体に違和感の無いシルエットに仕上がっている。メインフレームと外装部分はすべてトライアルごとの分解点検の対象となっていたため、完成状態の機体はデラーズ紛争勃発の中にあって政府高官を含む連邦軍開発本部の承認手続きを間近に控えながらアナハイム本社に留保されることとなった。ジョン・コーウェン中将更迭の報を受けた本社首脳部は本計画の解消を察知し、この機体を解体状態のまま分散移送させ連邦軍本部への納入予定を停止することを決定。また軍部で事態収拾を図る動きが生じた時点で開発データの全てはメインコンピュータからバックアップごと収拾させている。これは最高経営責任者メラニー・ヒュー・カーバインの即断によるものであったとされる。
※本企画の構成、テキストは当時MSVの設定考証企画に参画していた小田雅弘氏の協力をもとにROBOT魂 ver. A.N.I.M.E.用に書き起こしたものです。公式設定とは異なる場合がありますのでご了承ください。
※画像はイメージです。実際の商品とは異なる場合がございます。
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