演出家 テリー伊藤 × 映画監督 樋口真嗣 ~少年の心を持つ大人たちに贈る「大人の超合金」最新作 アポロ13号

「アポロ13号」の記憶
伊藤 : アポロ13号が帰還したのは1970年のこと。僕はそのとき大学生だったんですが、樋口さんは?
樋口 : まだ幼稚園ですね。リアルタイムで経過を見ていて、どんな感じだったんですか?
伊藤 : ちょうど学生運動に疑問を感じ始めていたこともあって、アポロ計画のような未来に向けた壮大なプロジェクトは、興味を持って見ていました。特に13号は「人類史上、経験したことがないトラブルからの帰還」というドラマがあっただけに、とても印象に残っています。

樋口 : 僕はそこまで分からない年だったので、純粋に「ロケット、カッコいいな」と。でも当時のおもちゃは本物とは何か違うなと子供心に思ってました。
伊藤 : ミニチュアカーもモデルガンも、あの頃はみんなそうでしたよね。本物とはずいぶん違うのが当たり前だった。
樋口 : アポロ11号以来、大人の超合金ファンとして思うのは、我々と同世代の人たちが当時、同じことを感じていた。だから今度は自分たちが「もの」を送り出す側に回ったときに、これほど精緻な商品が出せるようになったんじゃないかなと。本当に欲しかったものがやっと手に入ったという気がしました。
語り合える価値

伊藤 : 昔、よく家によろいとか掛け軸とか飾ってたじゃないですか。「王将」の大きな駒とか。
樋口 : ありましたねえ(笑い)。やたら立派な。
伊藤 : 今の家には合わないでしょ。でもこのアポロ13号だったら、「もの」としての価値に加え、部屋にあれば皆で語り合える。お酒でも飲みながら「アポロ13号が帰ってきたとき何やっていた」とか「そういえばちょうどその頃、好きな女の子に振られちゃって」とか。ものすごく盛り上がりますよね。
樋口 : しかも、それでいながら昔のおもちゃと同じようにバラバラにして、もう1回組み立てて遊ぶこともできる。プラモデルだと「触るなよ!」みたいな感じがありましたよね。でもこれは超合金だけあって、精巧さと強度は高いハードルをクリアしてる。我々の業界でほめ言葉として使うんですけど、「こんなところまで作り込んで、バカだよ」って。繰り返しますけど、ほめ言葉ですよ(笑い)。それくらいの完成度の高さ。

伊藤 : 最初に大人の超合金を見たとき「こんなのを作れるのは日本だけだろうな」と思った。これほどきめ細かく、高い技術で作り込めるって、これは日本の宝だろうと。かつてSFアニメに影響されて、実際に科学者や技術者になった人たちがいましたけど、それと同じように、大人の超合金シリーズに触れて科学やもの作りに興味を持つ世代が生まれてくるといいですね。
細部まで再現
樋口 : 最初に出たアポロ11号、そして今回のアポロ13号にも共通した特徴ですが、飾っていたら見えないパーツまで丁寧に再現されている。例えばロケット本体の分離する部分や、2段目や3段目の内側とか。そういうところにこだわりを感じますね。
伊藤 : 本当にその通り。僕はアポロ11号を自分の部屋に飾っているんだけど、樋口さんも?

樋口 : 僕も。アポロ11号は当時も衝撃的でしたけど、いまだに部屋でじっくり眺めていると「これはオレのものだ!」と言ってみたくなるような、ただならぬ雰囲気があるんですよね。そういえば「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」を作っていたときは、スタッフが超合金のアポロ11号をそばに置いて、あの映画の冒頭に登場する宇宙用装備のデザインや作画の参考にしていたんですよ。
伊藤 : 大人の部屋にこういうものを置くっていう発想自体が新しいよね。これからも自分が多感だった頃を思い出させてくれる超合金を見てみたいなあ。
企画・制作 日本経済新聞社クロスメディア営業局
(2012年3月10日発行・日本経済新聞朝刊 広告企画より)

