【魂の骨格】「Figuarts ZERO [STARTune]モンキー・D・ルフィ-新世界への船出-」原型師 榎木ともひで インタビュー

「[STARTune]モンキー・D・ルフィ-新世界への船出-」が2026年12月に発売決定!
『ONE PIECE』より「魚人島編」の新世界への船出シーンをイメージして立体化された本アイテム。その原型を担当された榎木ともひで氏に、完成形に至るまでの過程や商品の魅力をたっぷり語ってもらった。
※画像は開発中の試作品を撮影したものです。実際の商品とは異なります。
『ONE PIECE』×榎木ともひで氏コラボレーション誕生の経緯

――これまでに数多くの原型制作を担当されてきた榎木さんが、今回「STARTune」第1弾アイテムのひとつをご担当されるに至った経緯をお聞かせください。
榎木:別に面識があったわけではなく、いきなりのアタックだったんですよね。
企画担当:そうなんです。僕が榎木さんのXをフォローしていまして、いつか何かお願いしたいと思っていたんですが、プロフィール欄見たら普通に連絡先が書いてあったので(笑)。これだ!!と思って!
榎木:ダイレクトメッセージやな(笑)。
企画担当:もう本当に!会社のメールを使ったDMですね(笑)。
僕の話になってしまいますけど、小学生の頃にヴィネットフィギュアの食玩を好んで買っていまして。偶然近所の百貨店で、その原型等を展示するイベントが開催されていたんです。その当時の記憶をたどりながら、誰が作っていらっしゃったんだろう?みたいな感じで、雑誌や本を調べていく中で榎木さんのお名前を拝見しまして。
榎木:そこで見つけてくれたんや。
企画担当:はい!そして自分がこの立場になったので、ぜひお願いしたい!と思って連絡させていただきました。
豊富な経験から導き出されたヴィネットスタイル

――原型制作にあたり特にこだわった部分があればぜひお聞かせください。
榎木:ワンシーンをただ切り取っただけというのではなくて、1個のオブジェとして成り立つようなデザインにしたというところですね。
ジオラマとして、四角の中に入れた、みたいな、見切れる部分はスパスパ切り落としていくというのではなくて、エフェクトの方向とか流れみたいなものを意識して全体をデザインしています。
でもルフィのフィギュアがメインやもんね。
企画担当:そうですね。
榎木:ジオラマでもヴィネットでも、作っていくと塊がどんどん広がっていくの。でもフィギュアがメインで、本来邪魔されるべきではない。本来はもうちょっと見えた方がいいものとかが…。
企画担当:確かにサニー号の文字とか、マストの付近とかは見えてた方が良いような気もしてしまいますね…。
榎木:そこをうまく工夫し全体をコントロールして、空間としてデザインしています。
ルフィがメインなので、ルフィの立っているところと後ろのマストや旗は別次元というか、これはアップで撮ったところ、これは引きで撮ったところ、それらを合成してるみたいな。映画のポスターのような、コラージュ的なものっていうのかな。全てを1対1で作るのではなくて、大きい小さいがあって、メインの人物とバランスをとって。
企画担当:それを水のエフェクトでうまく繋いでいただいて。この水のエフェクトも榎木さんらしい造形ですよね。
榎木:以前にもしずくとか泡を繋いで浮遊感を出すような造形をしたことがあったので、今回はそれと同じテクニックですね。

――メインのルフィにも多くのこだわりが詰め込まれていると伺っています。
榎木:横顔ですね。
企画担当:こだわって作っていただいたこともあって、顔の造形含めて版権元様の監修はほぼ1回で終わりました。
榎木:今回、普段のルフィより口を開けてるような表情だから、そこもちょっと特徴かなと思って。あと最近は目がタンポ印刷になったから、目の落ちくぼみなどの造形を作らず埋めるのが正解みたいになっていて、横顔も作る必要がなくなっている風潮なんだけど。
企画担当:他で原型をご担当されていたフィギュアでも、まつげのところまでっしっかり立体で造形していらっしゃいましたもんね。
榎木:僕は横顔を売りにしてるのでね(笑)。
企画担当:どの角度から見てもちゃんとルフィになっている造形にしていただきました。

榎木:あと麦わら帽子。麦わら帽子って27年この仕事をやってきて作ったことなかったので(笑)。
企画担当:確かにフィギュア作ってると、普段作ったこともないものに出くわすと(笑)。
榎木:リアルな写真の麦わら帽子と作品の中の描写とは全然違うやん。だから麦わら帽子の作り方を調べて、どういう構造になっているのか把握した上で、ここはぐるぐるぐるぐるしているなとか、ここは螺旋にならないはずだなとか、本当の帽子ってこう編んでいくからここは線じゃないなとか。
企画担当:そこまで研究いただいて!
榎木:この麦わらのパキパキを出すために、なだらかにしないでわざとパキパキ感を残したり。線一個一個をチューブ的な発想ではなくカクカクさせてね。溝のところに盛り上がりを残したりして、麦わら感出せているかな?と。
企画担当:ありがとうございます!
榎木:あとは若干ルフィにもパースをかけて造形しています。
企画担当:ぱっと見わからないですけど言われてみると…。
榎木:でもこれが気持ちいいねんな。
企画担当:確かに、本当にそのパース感が気持ちよすぎて。そういったテクニックが細かく入った造形ゆえに、商品画像撮影の時もカメラマンさんと、どの角度から撮っても絵になるので悩みました。
榎木:どの角度から見てもらっても楽しんでいただけると思いますが、ヴィネットとしての意味合いを考えると、ちょっと下から、沈んでいくシーンを想像しながらみてほしいかな。
企画担当:いろいろな角度から見て楽しんでいただけるものに仕上げていただきありがとうございました。そのキャラクターの特徴とか、全体像とか、みんな言語化できなくても感じるところがあると思うんですが、今回は皆さんのその思いに響くものを作っていただけたと思っています。
依頼の意図としても、せっかく榎木さんにお願いすることができたので、フィギュアの出来の良さはもちろん、ヴィネット的な凄さを出したいというのがありました。
榎木:キャラクターフィギュアはよくできて当たり前なところがあるでしょう?だから、それよりもう1個向こう側をやりたいと思っているんですよ。
ファンの方へのメッセージ
――最後にフィギュアファンの方はもちろん、日頃フィギュアは買わないけど『ONE PIECE』が好きで興味を持ってくださったファンに向けてメッセージをいただけますでしょうか?
榎木:これがフィギュアの基準ですから、初めてフィギュアを手にする方は今後はこれを基準として覚えていただいて、もっと良いものをどんどん出していくのでよろしくお願いします!
――ありがとうございました。

原型担当:榎木ともひで
2023年で造形家生活25周年を迎えたフリー原型師。
可動フィギュアから小型ジオラマ(ヴィネット)などオールラウンドに製作。
魂ネイションズ商品の原型製作は本商品が初めて。

企画担当:MOTTO!OKAMOTO
2021年よりフィギュアーツZEROドラゴンボールシリーズの企画を担当。
2025年からはフィギュアーツZEROシリーズ全般の統括も担当し、この度「STARTune」シリーズの立ち上げを行った。

「フィギュアーツZERO [STARTune]モンキー・D・ルフィ-新世界への船出-」 2026年12月発売予定
※画像は開発中の試作品を撮影したものです。実際の商品とは異なります。
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