【魂の骨格】「超合金 アストロボット & デュアルスピーダー」発売記念!Team ASOBIスタジオ代表ニコラ・ドゥセ氏インタビュー

PlayStation™5のハードウェア性能と革新的なコントローラー技術をフル活用し、PlayStation™のマスコット的キャラクターでもある「アストロ」を操作する、3Dアクションゲームである。
そんな『アストロボット』と『超合金』のコラボレーションにより誕生した商品「超合金 アストロボット & デュアルスピーダー」が2026年6月27日(土)に、ついに発売を迎える。
本商品がいかにして誕生したのか?
ゲームの魅力をいかに商品で表現していったのか?
ゲーム『アストロボット』の制作を手掛けるTeam ASOBIスタジオ代表のニコラ・ドゥセ氏、そして本商品の企画担当者 BANDAI SPIRITS コレクターズ事業部 寺島にインタビュー形式で語ってもらった。
超合金 アストロボット & デュアルスピーダー」商品化のきっかけ
寺島:私はもともとガジェットとしてのゲームハードが大好きで、過去、BANDAI SPIRITホビー事業部所属時代に初代プレイステーションのプラモデルを企画させていただいたこともあります。
その後、コレクターズ事業部に異動してフィギュアの企画をするようになってからも、ソニー・インタラクティブエンタテインメント様と何度か商品企画のご相談をさせていただく中で、『アストロボット』の新展開のお話をいただき、そこで「デュアルスピーダー」の存在を知りました!
「コントローラーが変形してスペースシップになるなんて…‼」
ゲームハード好きとしては心躍らずにはいられず、当時超合金の企画にも携わっていたこともあって、即座に企画書の作成に着手したのを覚えています。
それにしても、この「デュアルスピーダー」は本当に秀逸なデザインですよね。
DualSense ™ワイヤレスコントローラーが変形するのには驚きです…!
――「デュアルスピーダー」の誕生秘話やデザインについて教えていただけますでしょうか?
ニコラ:これは楽しいテーマですね。ご質問ありがとうございます。
Team ASOBIでは、「どうすればクールなPlayStation™ハードウェアを、現実ではありえない魔法のような存在へと昇華できるか」を常に考えてきました。作品ごとに少しずつ進化を重ね、まず『THE PLAYROOM』(2013年、PS4)では、コントローラーをボットたちの住処として表現しました。その後のVR作品の開発では、コントローラーにデジタルのフェイスプレートと音声を追加し、まるで手の中で生きているかのように感じられる存在にしています。そして『アストロボット』では、格納式の翼と推進装置を加えることで、アストロが惑星から惑星へと飛び移るための自分専用の宇宙船へと変わりました。


ニコラ:PlayStation™のコントローラーはもともと空気力学的に優れた形状をしているため、この進化はとても自然なものでした。こうして「デュアルスピーダー」が誕生したのです。

ニコラ:その後、コンセプトが最終デザインにたどり着くまでには何度も試行錯誤を重ねました。そして最終的に、『アストロボット』とPlayStationが持つクールさと遊び心という価値観を十分に表現できるデザインが完成したんです。
寺島:人間工学に基づいて設計されたDualSenseが、空気力学的にも効率が良いというのは、ガジェット好きとしてはワクワクするお話ですね(笑)。
私は商品開発用のゲームの設定資料をご提供いただく前から居ても立ってもいられず、コントローラーが人型ロボ、4足歩行ロボ、宇宙船に変形する機構試作を作成しました
「超合金ブランドの強みを活かせば、こんな楽しいことができますよ!」
「是非超合金ブランドで商品化させてください!」
…と、いわば売り込み営業のように試作をお見せさせていただきました。

――試作を見た時の感想、Team ASOBI内でのエピソードなどをお伺いさせていただけますでしょうか?
ニコラ:私たちが初めて「デュアルスピーダーを現実世界に再現する」というアイデアを聞いたときは本当に興奮しました! まるで夢が叶ったような気分でしたし、それがこれほど高い評価を受けている企業からの提案だったことも特別でした。開発初期の3つのプロトタイプにはそれぞれに独自の長所があったのですが、デザインチームの大胆な発想と、提示された選択肢の多様さに非常に感銘を受けました。最終的にはゲーム内に登場するものと同じデュアルスピーダーのデザインを採用することになりましたが、それ自体が非常に難易度の高い技術的チャレンジでした。私は今でも、最初のプロトタイプを実際に見て触れたときのことを鮮明に覚えています。その完成度の高さには本当に驚かされました。まだ3Dプリントされた試作品の段階でしたが、細部へのこだわりや丁寧な作り込みがすでに際立っていたんです。特に印象的だったのは、それがDualSense™ワイヤレスコントローラーとまったく同じサイズで作られており、さらに各パーツがどのように形になり、満足のいく仕上がりになるかという明確な計画がすでに存在していたことです。それは、このプロジェクトが素晴らしいものになる予兆のように感じられました。


ニコラ:その日はTeam ASOBIの3Dアーティストたちを呼んで試作品を見てもらったのですが、彼らは大きな笑顔を浮かべながらも何もコメントしませんでした。実は、たいていの場合、それはとても良い兆候なのです! 😊
商品開発と監修について
寺島:デュアルスピーダ―を商品化するため、まずはDualSense™現物を3Dスキャンすることからスタートしました。
そのデータをベースに、いただいた設定資料を参考に変形機構を盛り込む。
コントローラーとしてのアウトラインをなるべく崩さずにスペースシップへの変形を再現するのには大変苦慮しました(汗)。

――デュアルスピーダーの変形シークエンスにまつわる秘話や、監修で大事にしたこと、商品開発の途中経過を見ての感想など教えていただけますでしょうか?
ニコラ:ゲーム内でハードウェアの変形を考える際、私たちは常に「それが本当にありそうだ」と感じられることを特に重視しています。アートディレクターとコンセプトアーティストは、リアルなプロダクトデザインへの深い理解を持っているため、DualSense™の機械的なデザインと、架空の乗り物であるデュアルスピーダーのデザインを自然につなげることができました。もちろん、ゲームの舞台が仮想空間であるため、必要に応じてコントローラー内部にすべてのパーツを収めるためのさまざまな工夫や“ごまかし”を使えるという利点もあります。たとえば、パーツが出現したり消えたりする際に、その大きさを拡大・縮小することが可能です。しかし、現実世界ではそうしたことはできません。だからこそ、私たちは寺島さんとBANDAI SPIRITSのチームが超合金シリーズで成し遂げた成果に深く感銘を受けているのです。
寺島:ゲーム内で“デジタル”で表現されているものを、いかに玩具として“アナログ”に再現していくか…。
ここは玩具メーカーとしての腕の見せ所ではありましたね!(笑)。
「再現」という点では、「アストロ」も「デュアルスピーダー」もコミカルな動きと表情豊かなデジタルディスプレイがチャームポイントだったので、商品で面白い表現ができないかと検討しました。
液晶パネルを組み込みたいところでしたが、さすがにコストがかかりすぎる…。
そこで、レンチキュラー(見る角度によって絵柄が変わる印刷技術)に着目しました。
昔ながらのアナログな技術ですが、デジタルっぽさの表現に最適だったんです。

――アストロにおける感情表現で大事にしていたことはありますか?また、製品でのレンチキュラーでの再現はどうでしたか?
ニコラ:アストロの目のデザインは、PlayStation™4向けの『THE PLAYROOM』に登場したキャラクターの原点にまでさかのぼります。当時は複雑なキャラクターを制作する時間がなかったため、黒いパネルの上に大きな青色のLEDの目を2つ配置した、とてもシンプルで印象的な顔にすることを決めました。そして、その特徴こそがキャラクターたちの最も記憶に残る要素となったんです。この象徴的なデザインは、その後何年にもわたって『アストロボット』のキャラクターデザインを導く指針となってくれました。

ニコラ:時が経つにつれて表現できる感情の幅は徐々に広がり、部分的な変形なども取り入れられるようになりましたが、常にデジタルワールドのDNAを尊重することを大切にしています。レンチキュラーのアイデアは、低コストでありながらもTeam ASOBIの哲学をしっかりと反映しており、とても良いものだと思いました。私たちのコアバリューのひとつに「Techno-Magic(テクノ・マジック)」があります。これは、どれほどシンプルな技術であれ、どれほど高度で複雑な技術であれ、それを通じてユーザーに魔法のような体験を届けなければならない、という考え方です。レンチキュラーのアイデアは、まさにその精神を体現しています。製品にちょっとした魔法を吹き込む、遊び心あふれる工夫なのです
実際に商品を手に取り触ってみての感想
寺島:コントローラー形態での手に収まるフィット感、それと同時に感じるダイキャストパーツの重量感、各ボタンを押しながら変形させる小気味の良さ、レンチキュラーやLED発光ギミックによる玩具的なアプローチ…。
超合金ブランドの強みを活かしながら「デュアルスピーダー」を再現していくという形で仕様を完成させていった本商品ですが、実際に製品版を触ってみていただくと、そのこだわりを実感いただけるかと思います!
――製品に対する率直な感想や、製品で気に入っていただけたポイント、改めてこだわった部分など、教えていただけますでしょうか。
ニコラ:正直に言って、これは『アストロボット』シリーズに関連して作られた中でも、最高の製品のひとつ、あるいは間違いなくその中でも最も優れたものだと思います。ディテールへのこだわりは私たちの想像をはるかに超えており、世界中のファンの皆さんをきっと喜ばせるものになると感じています。このアイデアがここまで形になったことには、どこか現実離れした、ほとんど不可能にも思えるような感覚があります。この場を借りて、寺島さんとBANDAI SPIRITSのチームに心からの感謝を伝えたいと思います。

ニコラ:このプロジェクトを通して、私たちは非常に大きな尊敬を抱き、多くの学びを得ました。実現には膨大な情熱、知識、そして献身が注がれています。デュアルスピーダーを現実のものとして形にするにあたり、これ以上ない最高のパートナーと仕事ができたと感じています。本当にありがとうございました。
ゲームも「GAME OF THE YEAR(ゲーム・オブ・ザ・イヤー)」をはじめ数々のタイトルを受賞。Team ASOBIの今後の歩みに迫る
寺島:ゲーム『アストロボット』は超合金企画の検討段階で発売となり、私も即座にプレイさせていただきましたが、本当に素晴らしいゲームでした!!
PS5のポテンシャルを最大限引き出しつつ、シンプルな操作性ながら様々なギミックとアクションで楽しませていただきました。
「GAME OF THE YEAR」をはじめ数々のタイトルを受賞し、名実ともにPlayStation™の代表作となりましたね。
――ゲーム『アストロボット』の世間からの評価についての感想、そして可能な範囲でTeam ASOBIの未来展望をお聞かせいただきたいです。
ニコラ:温かいお言葉をありがとうございます!『アストロボット』は、Team ASOBIにとって新しいスタジオとしての最初のタイトルです。私たちは高品質なゲームを作り上げること、そしてPlayStation ™5の可能性を示すことに強い責任感を持って取り組んできました。良い結果につながった要因は、最終的にはチームの一人ひとりが自分の仕事に責任を持ち、楽しさを見出し、細部までこだわり、問題を解決し続け、そして常に「これはプレイヤーのためのゲームである」という意識を忘れなかったことにあると思います。私は、何か記憶に残るものを生み出すためには、その情熱と作品に触れてくださる方々への敬意が不可欠な要素だと強く信じています。そしてこの感覚は、超合金プロジェクトにおいても非常に強く感じました。初めて寺島さんにお会いしたとき、『アストロボット』の背後にある哲学を深く理解されていることに感銘を受けました。このコラボレーションがうまくいった理由もそこにあると思います。時間が経つにつれ、私たちは非常に近いプロダクトデザインの価値観を共有していることに気づきました。Team ASOBIはこのプロジェクトから多くの貴重な学びを得ました。これから先の未来がどのようになるかは分かりませんが、また再びご一緒できることを願っています。Team ASOBI一同より、心からの感謝を申し上げます。
――本日は、ありがとうございました。

「 超合金 アストロボット & デュアルスピーダー」 2026年6月27日発売
- ©Sony Interactive Entertainment Inc.