Interview Articles Message from the men who created "Gridman" - Commemorating the commercialization of "S.H.Figuarts (SHINKOCCHOU SEIHOU) GRIDMAN" Suit Actor Hiroyuki Okano & Suit Sculptor Takafumi Kamafuchi

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1993年に放送された円谷プロダクション制作作品『電光超人グリッドマン』から、30年以上の時を超えて「S.H.Figuarts(真骨彫製法) グリッドマン」が商品化。魂ウェブ商店で期間限定受注中だ。
当商品の開発に当たっては、当時のスーツアクターである岡野弘之氏にはボディスキャンや商品画像のポージング監修などを、スーツ造形に携わっていた澗淵隆文氏には商品の造形監修をご担当いただき、当時作品に関わられたお二人に直接商品開発に関わっていただく形となった。
そこで当記事では「『電光超人グリッドマン』を生み出した男たちのメッセージ」と題し、お二人に当時のエピソードや商品をご覧になっての感想などを語っていただいた。

■『電光超人グリッドマン』撮影現場を振り返る―

――まずは岡野さんへ、作品についてのお話をお伺い出来ればと思います。『(電光超人)グリッドマン』出演が決まった経緯や、印象に残っていることなどをお聞かせ願えますか?

岡野:思い出は色々あります。元々はイベント(ヒーローショーなどのスーツアクター)をメインにやっていまして、「『グリッドマン』という作品に参加して1年弱やっていく」ということが決まった時も、イベントも土日に継続してやると思っていたんです。ところが「一切イベントはやるな」と監督から言われまして。それまでずっとやっていたイベントの仕事が出来なくなるということで「えぇっ!?」とは思ったんですけど、その「行くな」というのは、イベントを続けると癖がついてしまうから、撮影向けのアクションに専念しろという意味だったんですね。それまではイベントオンリーだったので、参加した期間、撮影の動きを叩き込まれたという感じでした。

――なるほど。ショーとは別の、映像作品としての立ち振る舞いなどの違いがあるのですね。

岡野:カメラワークに合わせた芝居の細かさとか、狭い視野の中イベントでは大雑把に当てていた箇所も、フレームに合わせてピンポイントに当てなければいけない難しさとか、思い知らされました。

――印象に残ったシーンなどはありますか?

岡野:すべて印象に残っていまして。ピンポイントでアクションを当てなければいけない難しさを求められた中で、「もういいや、OK」みたいな芳しくないOKではなく、いかに監督から気持ち良いOKを出させてやろうかという、すべてのカットをそこに懸けていたので、ほとんどのカットは印象に残っていますね。

――ありがとうございます。撮影の際には、澗淵さんも一緒だったのでしょうか?

澗 淵:私の方は、撮影にはほとんど立ち会っていないですね。撮影現場に行くのも、スーツのチェックとか納品の対応で行くくらいで、現場にはほとんど付いていないです。だから、現場のスタッフとはアクターの岡野さんや、助監督さんとか、わずかな方としか当時は接していなかったですね。

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■30年以上の時を経て、真骨彫製法で再現されたグリッドマンの造形!

――グリッドマンが30年以上を経てS.H.Figuarts(真骨彫製法)シリーズで商品化されるのですが、そのお話を最初に聞かれた際の印象を教えてください。

岡野:まさかの……なんでいまさら、と正直そう思いました。でも嬉しかったです。

澗 淵:私の方は、これまでのフィギュアーツS.H.Figuarts(ウルトラマンシリーズ)にも原型の方とかで関わらせていていたので、グリッドマンも出ればいいなぁという思いはありました。で、ようやくそういう(商品化の)話を伺ったんですけど、まさかの真骨彫製法で出していただけると! 普通のフィギュアーツS.H.Figuartsかなと最初は思ったんですけど、他の名だたるウルトラマンのキャラクターを差し置いてグリッドマンがそこにドンと来た訳じゃないですか。アニメ(『SSSS.GRIDMAN』等)の影響もあるかも知れないですけど、それだけ、当時子供の頃『グリッドマン』を見ていた方が今でも応援してくださっているという実績が真骨彫製法につながったのかと思うと、ありがたい限りですね。


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――ではここからは商品について。実物をご覧いただいての率直な感想をいただければと。

岡野:(当時から)ソフビの人形とか、プラスチック製の可動する玩具とかは見ていますが、比べるとやはり人間本体の骨格を模しているという真骨彫製法の作りを見ると「ああ、違うんだな」と。出来がメチャメチャすごい、細かい部分がこんなに動いてポーズがつけられる、絶対欲しくなりますね。

――骨格について岡野さんに触れていただきましたが、澗淵さんにはディテール面について伺いたいです。実はグリッドマンは「描きディテール」が結構あるということで。たとえば背中のスリット等は、実際のスーツではディテールとしては造形されておらず塗装でディテールを表現されているとのことで、商品化に当たり、どう再現するかご相談させていただきました。

澗 淵:デザイン画のイメージからすると背中にスリットを一段落ちで造形表現するところなんですけど、その辺って映像には影響しない部分なので、塗装の黒い線を入れるだけでその様に見せて……とか、そういう表現をしていました。フィギュアの方は逆にお客さんの手に取ってもらうので、そういう所もしっかりディテールとして再現していただいています。むしろ本物より本物らしくしてくれている部分ですね。

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――本当にここは、真骨彫製法としてどう表現しようかという所を悩んだ部分で、一緒に相談させていただいて。「本来あるべき姿」ということで、立体造形で表現いたしました。
また、監修いただいた初期原型は、スキャンデータを元にした人体の形にスーツの造形を施した、関節が入っていない段階のスタチュー原型をご覧いただいていたと思うのですが、その時と比べて真骨彫製法により仕上がった可動原型はいかがですか?

澗 淵:グリッドマンに限らずヒーローフィギュアって、実際のスーツは当然可動関節のディテールは入っていないのに対して、いかに継ぎ目を感じさせずに可動を入れるかっていうのが毎回大変な部分だと思うんです。グリッドマンも、上半身に関しては甲冑があるのでそれなりにフィギュアとしての処理がやりやすかったのかなとは思うんですが、腰の部分ですね。足の付け根の部分とかはある程度クリアランスを持たせないと可動域が広くならないけど、持たせ過ぎると実際のスーツと比較した場合に相違が出てしまう。どの辺りに落とし込むかっていうのはバンダイさんと一緒に「ここをもう少し」「この辺どうにかなりませんか」と色々やりとりした所ですね。途中経過は試行錯誤の連続でしたが、出来上がった彩色見本を拝見した時は、かなりがんばった成果が表れてるなと思いました。シルエットもアクターの岡野のスキャンから造形を追っているので、まさに当時の若かりし頃の岡野のスタイルが再現されていて「あ、なんか見覚えのあるグリッドマンのスタイルだな」と感じますね。
あと、グリッドマンのデザインの特徴で言うと、レガースが他のキャラクターには無い、太股の上まで来ているデザインで、この辺りも当時のスーツ風に再現するのが難しいんですけど、ここも今日見せていただいた彩色試作ではイメージを崩さないレベルで可動域をしっかり確保していただいているので、これもすごいなぁと思いました。


――スキャンのお話がありましたが、岡野さんにご協力いただいたスキャン実施時のお話もお聞きしたいです。

岡野:長年口ばかりの仕事になって(編注:近年は殺陣師、アクションコーディネーターとして活躍)、当時と比べたら違う体型になりましたが、全身タイツを着て久々にポーズをとっていると、昔のことがよみがえり、感慨深い思いでやらせていただきました。手のスキャンも行いましたが、細かい所もこんなに再現出来るんだと驚きました。劇中のカットがそのまんまフィギュアになって出てきた感じで、自分をスキャンしているとはいえ、特徴を捉えすぎですね。

――澗淵さんにも改めてお伺いしたいと思います。さきほどレガースの再現について触れていただきましたが、原型を監修いただいた際には他にも細かい所までご指摘いただいたと思います。特に、当時造形担当されていた澗淵さんからの観点で、今回監修いただいた際に注視したポイントや、監修を経てここがクオリティアップしたというポイントがもしあれば教えてください。

澗 淵:グリッドマンのスーツはウェットスーツの下に肉襦袢のような筋肉スーツを着てヒーローの力強さを出しているのですが、このフィギュアでいうとお腹のところの膨らみ具合を、パットが入った状態の立体感として再現してもらっているので、そこが劇中の雰囲気が一番出ていますね。グリッドマンのデザインのポイントとして、胸とお腹にあるブルーの3点のバランスが特徴でもあるので、ここの雰囲気をしっかり出していただいたことで、よりスーツらしさが出ていると思います。

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あとはやっぱり、このタイプのフィギュアにいえるところで、やっぱりお尻のラインですね。特にグリッドマンはハイレグっぽい形で黒のパーツが入っているんですけど、そことお尻のふくらみ具合のいいバランスがすごく再現出来ているので、後ろ姿的にも劇中の雰囲気が見て取れると思います。

■グリッドマンの特徴的なポージングの秘密

――商品の撮影時に、岡野さんにご協力いただき参考として実際にグリッドマンのポーズをとっていただきました。ポージングのコツ等があれば教えてください。

岡野:最初にデザインを見せてもらった時に西洋の騎士のイメージが浮かび、ウルトラマンの作品では無いのだからと機敏なファイティングポーズを提案したら監督に却下され、今のポーズに至りました。その中でも今までのウルトラマンと被らないように拳の向きや腕の位置を変えてみるなど当時意識したのを思い出しました。

澗 淵:グリッドビームのポーズ提案は岡野さんかな?

岡野:デモの玩具(アクセプター)があって「ここを押してからポージングに入る」が決め事としてあり、あとは佐川和夫監督(特撮監督)とどういう風に押すか相談して。最後はスペシウム光線のように縦にした腕から光線を、との案が監督にあったのでその間を埋めるのに腕を振り回せば一連の動きで繋がる……という流れで決まっていきました。動きが交差する部分は少しやりづらさはありましたがこの回転によりエネルギーが集中していくようなイメージは創れたかなと思います。


Message from the men who created "Gridman" - Commemorating the commercialization of "S.H.Figuarts (SHINKOCCHOU SEIHOU) GRIDMAN" Suit Actor Hiroyuki Okano & Suit Sculptor Takafumi Kamafuchi
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澗 淵:商品の撮影も、岡野さんがポーズをつけると、腰の入れ方がグッと良くなりましたね。最初、我々だけがやっている時はなんかもうひとつ力入ってないなという感じで。

――岡野さんのポージング指導が始まってから、また一段階、命が吹き込まれたくらいの違いが出ました。立ち姿ひとつから、変わったと思います。

澗 淵:普段から殺陣師としてウルトラマンのポージングを付けていますからね。

――続いて、グリッドマンの武器に関してお伺い出来ればと思います。

岡野:ただただ重かった思い出が。出来上がってきた武器がメチャメチャ重くて。ただでさえウルトラマンと違い色んな所に負荷が掛かる衣装の中で、またもっと重いのが来た!というのが第一印象でして。あとは、戦い方も「刃物で切る」ではなく硬物を「たたく」イメージの戦い方をしていました。このフィギュアみたいに軽いと良かったんですが(笑)。こんなんでやっていけるのかと思いました。

澗 淵:変形のやつはかなりガッチリしてましたよね。曲がってきちゃうので。当時、武器の造形は担当していなかったので撮影現場で初めて見せてもらったんですけど、「うわ、これは重いわ」と思いましたね。これはアクション相当しんどいだろうなとは思ったんですけど、私の方からどうにかできる訳でもなく、「がんばってください」と言うしかなかったんですけど(笑)。
商品の方の話で言うと、当時は子供向けの玩具でも出ているということで、いろんな変形機構とか斧になったり剣になったり盾になったり、全部合体して大きな剣になったりという商品だったんですけど、今回真骨彫製法ではこの大きさながらすべての変形を、差し替えもあったりはするようですけど、一番特徴的なシールドの展開ギミックが見事に再現出来ているので、最初に試作を見せていただいた時はかなり驚きでしたね。それぞれの形態の固定した武器をつければいいだけの話だと思うんですけど、ちゃんとギミックを入れたというところに真骨彫製法の神髄を見たなという気はしました。皆さん楽しみに遊んでいただければと思います。


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――最後に、真骨彫製法を楽しみに待っている皆さんへ、メッセージをお願いします。

岡野:30年経って、まさかまた陽の目を見るとは当時は思っていなかったものをここまで再現していただいて。大人の方も昔を思い出して、十分楽しめるものとなっておりますので、是非手に取って遊んでもらえたら。今後も、ウルトラマン同様この『(電光超人)グリッドマン』もひとつの作品として皆さんに愛してもらえれば嬉しいなと思います。

澗 淵:造形する側からの立場で言いますと、『電光超人グリッドマン』の商品も昨今人気が再認識されて各社から色々商品も出ていますけど、私が見る限りでは現時点ではこれがほぼ決定版と呼んでいいと思います。それぐらい、私もいろいろな意見を言わせていただきましたし、それに対してしっかり応えていただいたバンダイのスタッフの皆さんにも感謝しています。これまで他の商品ではオミットされていた部分もしっかり作り込んでいただいて、いろいろな劇中のシーンがこのフィギュアで再現できると思いますので是非楽しんでいただければなと思います。

--Thank you.

 

©円谷プロ

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