①本物の魅力をさまざまな角度から抽出

「伝説の探求」

実在する人物のイメージは十人十色である。だが、誰もが知っている、「本物」と感じる特徴的な表情はどの人物にも必ず存在する。その表情とは一体何か。まずはその答えを徹底的に探究するところからこの工程は始まる。

フレディ･マーキュリーの場合は、1986年のイギリス・ウェンブリースタジアムでのクイーン ラストコンサートの映像よりライブ感あふれる表情を切り取ることがその第一歩となった。昂ぶるシャウト顔、眼力あふれるキメ顔など、「これぞフレディ！」という象徴的なシーンから数パターンピックアップされた。

それらを、当時の動画や写真だけではなく、様々な時代のPVやプライベートショットに至るまでの膨大な資料を、原型師と３Dデータ制作班が共同で徹底検証。立体としての資料が存在しないフレディの溢れる魂の表情を、いかに立体フィギュアで再現するか、その方法を探求していく。「魂のデジタル彩色技術」の道のりは既にここから始まっているのである。

②実物の特徴を細密に表現する

「デジタル造形」

人物像の徹底的な検証はそのまま、緻密なデジタル造形に反映されていく。

フレディ・マーキュリーの溢れる魂の表情を作り出す、顔の輪郭、ほお骨や目元の立体感やシワ、そして口元のヒゲなどの特徴的なディテールが、デジタル造形ならではの超精密造形によって表現される。 このデジタル造形の工程にかけた所要時間は実に300時間におよぶ。

③本物の皮膚感をリアル再現

「デジタル彩色」

完成した立体の顔・頭部に、最新のデジタル彩色技術で彩色を施す。

同サイズの成型品での表現が難しい「細かな皮膚の陰影」「シミや毛根などの皮膚感」などを表現した彩色データを作成、ミクロレベルの彩色クオリティで約２㎝サイズの顔パーツの中にそれらの精密な彩色を実現する。
データ化された彩色技術はそのまま生産段階で生かされることで、製品時の劣化がほとんどない彩色製品が完成する。

まるでスクリーンからそのまま抜け出してきたような「本物の迫力」を、想像を絶するサイズで表現する。それが「魂のデジタル彩色技術」なのである。