魂の骨格 スーパーロボット超合金 グレンラガン発売記念 雨宮 哲 × 設計 坂埜 竜 スペシャルインタビュー 第3回
2012-12-11 17:30 更新
アニメ『天元突破グレンラガン』でダイナミックなアクションシーンの数々を手掛けた雨宮 哲氏、そしてスーパーロボット超合金 グレンラガンの設計担当であるコレクターズ事業部 坂埜 竜による魂の骨格第3回。最終回となる今回は、開発時に検証モデルとして作られたグレンラガンの頭部を雨宮氏に見てもらいつつ、今後の展望について語ってもらった。
■検証モデル
―― 一際大きい、グレンラガンの頭がありますが、これは何ですか? |
坂埜:形状確認と彩色確認用に拡大した試作品です。“Connex”という3Dプリンターで造形しています。 雨宮:じゃあ、これは商品を拡大した頭部っていうことですか? 坂埜:そうです。今回、せっかくの雨宮さんと対談なので、2倍ぐらいにした全身を出力しようとも思ったのですが、さすがに造形時間がかかりすぎると思い…諦めました…(笑)。 雨宮:目とか口とか再現度も高いので、作画用立体モデルとしても、使えそうですね。 坂埜:メカデザインの吉成 曜さんの設定画を見たとき、本当かっこいい顔してるなと。劇中では色んな方が色んな描き方をしていますが、顔は設定画が一番カッコいいと思ったので、それを再現しています。 雨宮:このカブトのここが素晴らしいですね。黒いパーツの眉のところ。 坂埜:ここは意外と苦労しました。 雨宮:正面から見たら具体的に再現するのは難しいですよね。 坂埜:難しいんですよ、形状の繋がりが。やはり設定画でも、すべての角度で描かれているわけではないので。 雨宮:確かにそうですよね、すごく難しい。 ――この辺りはクリエイター同志ならではの会話ですね(笑) 坂埜:どうやって面を繋げたらいいのかなと悩みました。 雨宮:そう、正面のカットだと大体黒いパーツが見えないですよね。 坂埜:あと、ここはすごい悩みましたね。この後頭部と延髄部分の解釈。 雨宮:これは誰も上手く描けないですからね。 坂埜:いや…もう…絵の通りにならないんですよ。それが悔しい(笑)。絵の通りにならないんだけど、破綻なくどう立体にしたらいいのかトライ&エラーの繰り返しで今の形状に辿り着きました。 ――もし、作画参考用モデルとして、この立体があったらいかがですか? 雨宮:劇中の絵はまた違ったものになったかもしれないですね。 坂埜:でも、どっちにしても、劇中はすごいアレンジしていましたよね。 雨宮:現場的には自由なので(笑)。 坂埜:できれば、この検証モデルくらいの大きさでグレンラガンを作りたいんですよ。 雨宮:欲しいですね、DX超合金! 坂埜:置き場所に困るって絶対言われると思うんですけど。それと値段…(笑)。 ■グレンラガン商品化の展望――ここまでスーパーロボット超合金を触りつつお話をお聞きしましたが、雨宮さんはけっこうフィギュアなどの立体物はお好きなんですか? 雨宮:めっちゃ好きです。けっこう買っていますよ。SDXなんかも、買っていましたね。 坂埜:そうなんですか!? 雨宮:少し前まではアンケートも送っていました(笑)。でも、最近は言わなくても、実現してくれるので、わかってくれる人がいるならいいかな、と送っていませんが。昔、SDXの商品化アンケートがありましたが、そのほとんどがすでに商品化されましたし。本当にいい時代ですよね(笑)。 ――グレンラガンでは、このあと商品化してほしいメカはありますか? 雨宮:いっぱいありますね。とりあえず敵が欲しいですね。ラゼンガンとかエンキとか。やっぱり戦わせたいですね。 坂埜:ラゼンガン、エンキ、ぜひ商品化してみたいですね。 雨宮:ラゼンガンに翼、つけたいじゃないですか。マント、つけたいじゃないですか(笑)。 坂埜:いいかも(笑)。 雨宮:それとグレンラガンはVer.Kaもありましたよね。色んなブランドでも、見たいです。 坂埜:個人的にはツインボークンを。 雨宮:え、意外! グラパールとかでもなく? 坂埜:「劇場版 天元突破グレンラガン 紅蓮篇」で、なんじゃこりゃ!ものすごくカッコいいな!!って(笑)。 雨宮:かっこいいですけど…(笑)。 坂埜:ああいう重量系と言うか、ヘビー級、大好きなんです。いや、もちろんグラパールも作ってみたいです。設定画をそのまま立体にしてもカッコいいものに仕上がると思いましたし 雨宮:今風なデザインですよね。 坂埜:もし、商品化の話があれば、どれも全然ウェルカムなんで、ぜひやりたいですね。 |
雨宮 哲(あめみや あきら) アニメーター・演出家。 |
坂埜 竜 1972年4月生まれ。1991年バンダイに入社後、栃木工場・ボーイズトイ設計を経て |
©GAINAX・中島かずき/アニプレックス・KDE-J・テレビ東京・電通