デスティニーガンダムと相対するストライクフリーダムガンダム。シンの復讐の憎悪を表現するため「悪魔的」なアレンジを盛り込んだデスティニーに対し、どのようなアレンジコンセプトに落とし込むか非常に苦労しました。
悪魔の対極となると通常は「天使」ですが今一つしっくりこず、重田智氏と打ち合わせを重ねる中で「『白馬の騎士』フリーダムガンダム」の頃よりも成長したキラの「力強さ」を表現する「聖騎士（パラディン）」というアレンジコンセプトが出来上がりました。
連結されて一直線に伸びた高エネルギービームライフルは「ランス」、翼はたなびく「マント」など、随所に「聖騎士」のコンセプトを盛り込んでいます。

デスティニーは、シンの「心にナイフを秘めたリベンジャー(復讐者)」という確たるイメージがあったので、デザインアレンジは実はそんなに難しくは無かったんです。 ただ今回のストライクフリーダムは大変でした。搭乗者であるキラは既に「前大戦の英雄」なので、あのデスティニーをねじ伏せられなければいけません。
その事を踏まえ、「正義を振りかざせる強さ」を前提に、坂本氏に提案頂いた「聖騎士」というアイデアを基にコーディネートしてみました。
「すでに少年ではなく、覚悟ある者としての『英雄』」。
そのイメージをストライクフリーダムに託してみました。

ダークな印象だったデスティニーと違い、白がメインの機体は（立体物にした際に）間延びしやすく、METAL BUILDの持つ重量感になかなか合わせづらいという問題があります。しかし、「聖騎士」というキーワードを伺って、ストンと腑に落ちて、悩まずに進めることができました。
「聖騎士」の持つ高潔な印象を、「光沢感のある白色」と「輝く金色」を最大限に活かしてまとめ上げています。
マーキングも、「姫を守護する正義の騎士」を意識し、左肩にはラクスの髪飾りをモチーフにしたマーキングを施しています。
形状だけでなく、彩色にもキャラクター性を盛り込んでいます。