MS開発秘録

RX-78NT-1 ガンダムNT-1

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RX-78NT-1 ガンダムNT-1

FILE No.006

RX-78NT-1 ガンダムNT-1

RX-78NT-1 ガンダムNT-1

地球連邦軍が開発したRX-78ガンダムは、一年戦争を通じてもっとも優れた性能を持つモビルスーツとして完成した。ジオン公国軍のザク モビルスーツが多角的な戦術構想を背景に、宇宙空間、地表制圧と拠点構築も含めて汎用性の高さを求められて開発された兵器であったことに対し、RX-78型は対モビルスーツ戦闘に重点を置き、徹底して革新テクノロジーがふんだんに投下された機体である。そのため試作機でありながら様々な戦闘状況にも即応性が高く、パイロット一人で操縦するにもかかわらず、その攻撃能力は戦力分析上巡洋艦一隻に相当するとまで言われた。モビルスーツで携行可能なビーム・ライフルを標準装備に持ち、消耗性の高い武器や防御兵装は本体に対してすべて外装化されている。モビルスーツそのものが稼動している限り戦闘力に損耗をきたさないその裏付けとなったのは、耐弾性に優れたルナ・チタニウム合金を装甲及び構成材に採用できたことによる。また操縦区画となるコア・ブロック(小型戦闘機として自立行動も可能)が独立して回収が可能で、機体が戦闘によって損傷した場合も別の機体や予備のAパート(上半身)とBパート(下半身)と換装することで戦闘の即時継続が可能であった。そしてジオン技術との差を決定的なものとしたのが、そのコア・ブロックに搭載された教育型コンピューターである。テム・レイ博士が設計したシステムとインターフェースでは、戦闘状況が上書きされて記録されるのと同時に、状況対応の最適値を機体の稼動に反映させることができるため、その生成プログラムを生産機にロードすればおのずと機体性能が向上する仕様となっていた。パイロットの練度によって発生する機体の戦力個体差を小さくすることが可能と考えられた。ここまでがRX-78の概要。 その機体に更なる要素を加えたのがニュータイプと呼ばれる感応性に優れたパイロットの存在であった。前線で第13独立戦隊のRX-78-2がもたらした実戦データは機体の更なるアップデートを必要としていることを明らかにし、反攻作戦のため戦力の再構築を図る連邦軍増援部隊によって、応急対応に近いものながらマグネットコーティング技術とフィールドモーターの強化を行い、ニュータイプ対応型モビルスーツRX-78-3型仕様を完成させた。これをさらに発展(利用)させた計画がFSWSであり、もう一方で進められたのがRX-78の次世代設計機の開発試作であった。一年戦争が膠着状態にある中、大量生産型で大規模戦闘に臨む数の論理も必要であったが、より優れたパイロットに適合した高性能機の有用性に着目した結果、あらためてRX-78-3から改設計されたニュータイプ対応機体がRX-78NT-1である。またRX-78ガンダム型としては初のペットネームとしてアレックスの固有呼称を持つ機体となった。この機体では換装方式という多用途性は除外され、個体としての戦闘力、防御力により優れたものが求められた。そのため回収モジュールを兼用するコア・ブロックの代わりに、このNT-1では後のリニアシートの原型となる全天周囲型モニタースクリーンを球体型コクピットに配し、専用ノーマルスーツとシートはシステム的に結合状態となり、ミノフスキー粒子散布下での戦闘状況の視野をより開放的なものとすることができた。さらに搭載教育型コンピューターはシステムプロセッサが3基に拡張され、処理能力は78-3型よりも大幅に向上した。こうした新たな機能と改修点がニュータイプであるアムロ・レイ専用機たる由縁である。そしてこの機体の設計開発にあたったのが北米オーガスタ基地研究施設である。テム・レイ博士を中心とする開発チームがV作戦で宇宙へ上がった後、連邦軍で地上開発施設の再編成を行った結果、ジャブローとは別にいくつかの開発拠点を設けた。元々RX-78の部位別試作製造を行っていたため、開発に流用できる部品はこのオーガスタでも過半数が調達可能であった。またこのNT-1には専用の複合装甲(チョバム・アーマー)が用意されている。特に大型の火砲による攻撃や接近戦の砲撃にさらされた場合は、この複合装甲が直撃によるダメージを吸収するクラッシュド・アーマーの役目を果たし、瞬時に損壊した装甲を脱離させることで本来のNT-1の姿で格闘戦フェイズに突入することが出来る。これはFSWSで提案されていた二次外殻の概念を防御用に応用特化させたものである。 完成した機体は分解された状態のまま北極基地へ移送され、ジオン軍特殊部隊の攻撃を回避してサイド6リボーコロニーへの輸送が完了。星一号作戦に向けて第13独立戦隊のアムロ・レイ少尉の元へ渡される予定で組み立て作業と調整テストが進行していたが、ジオン軍特殊部隊の急襲を受け、システムエンジニア兼テストパイロットのクリスチーナ・マッケンジー中尉の操縦で交戦状態となった結果、機体の損傷が激しく当初の作戦用には到達できなかった。

※本企画の構成、テキストは当時MSVの設定考証企画に参画していた小田雅弘氏の協力をもとにROBOT魂 ver. A.N.I.M.E.用に書き起こしたものです。公式設定とは異なる場合がありますのでご了承ください。

※本企画の構成、テキストは当時MSVの設定考証企画に参画していた小田雅弘氏の協力をもとにROBOT魂 ver. A.N.I.M.E.用に書き起こしたものです。公式設定とは異なる場合がありますのでご了承ください。

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※画像はイメージです。実際の商品とは異なる場合がございます。

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