MS開発秘録

RX-78GP01Fb ガンダム試作1号機フルバーニアン

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RX-78GP01Fb ガンダム試作1号機フルバーニアン

FILE No.010

RX-78GP01Fb ガンダム試作1号機フルバーニアン

RX-78GP01Fb ガンダム試作1号機フルバーニアン

UC0081年に発動されたガンダム開発計画は、一年戦争の傑作機RX-78ガンダムの設計思想を基礎に持ちつつ、コア・ブロック・システムを核として徹底的な再構築を図った最強戦術兵器を目指したものであった。第一試案のRX-78GP01と強襲攻撃型に特化した第二試案RX-78GP02Aは、共に重力下での作戦運用を想定して完成した。一年戦争当時のモビルスーツの機体構成をはるかに上回る強度・機動性を獲得出来ることになった背景としてルナ・チタニウム(ガンダリウム アルファ)合金の高精製化実現によるところが大きい。またRXシリーズの基礎設計に加え、本計画で地球連邦軍との秘匿提携で開発を担当したアナハイム・エレクトロニクス社では、戦後の経営拡大に際して旧ジオン公国軍で最大手の軍需メーカー ジオニック社を傘下に収めたことで、先進性で連邦軍に10年は先行するといわれた数々のモビルスーツテクノロジーをも手中にしたのである。地球連邦軍がアナハイム社を単独指名したのはこの一事に尽きるといってよい。 新設計のコア・ブロック・システム導入で完成したGP01は、デラーズ・フリートのアナベル・ガトー少佐に強奪されたGP02Aを奪還する追撃任務のため、強襲揚陸艦アルビオンと共に宇宙空間に上がったが、無重力状態に対応する機体制御機能を持たないままデラーズ・フリートと交戦した結果機体は大幅に損傷、GP01は再びフォン・ブラウン市のアナハイム・エレクトロニクス社リバモア工場へ搬送され、宇宙戦用に仕様変更を行った。機体の核となるコア・ファイターⅡも宇宙空間用のロケットモーターを備えた仕様となり(元来このコア・ファイターⅡを宇宙航行用に換装することで、GP01を容易に宇宙対応機とする構想であった)、従前エアインテークとされていたスペースにはリバース ロケットエンジンが組み込まれた。通常は保護外殻で遮蔽されているが、カバーを開放するとロケットエンジン・ノズルが前進位置で露出固定するレイアウトとなり、背面ロケットのスラスト方向と組み合わせて使用することで宇宙空間での立体的な超信地旋回を可能とした。 元々GP01の基本設計は機体各部の骨格フレームに対して装甲や外装パーツ交換の利便性(戦闘時の損傷復旧)を高めたものとなっており、この改装では姿勢制御用にインテグラルタンク内蔵の外装装甲(特に脚部)が装着され、両腕の肩頂部はバーニアユニットが付加されている。この仕様での最大の特徴は宇宙戦用コア・ファイターⅡの両舷部分にピボットでレイアウトしたマルチアングル バーニアユニット=ユニバーサル・ブースト・ポッド。ルナ・チタニウムの強度は高トルクに耐性をもたらすことに成功し、それまでAMBACシステムに依存していた機体制御に加え、メインエンジンとベクトルを同じくすることで推力の瞬間的な方向集中をも可能とした。無論マスバランスとして利用することも出来る。実はこのテクノロジーは後のグリプス戦役で数多くの機種を送り出すことになる可変型MS開発につながるものでもある(アナハイムの技術開発部が様々な情報組織の関与にさらされていたことは防諜面の限界を示していたことでもあり、地球連邦軍の統制が戦後世界で充分機能していなかったことの現れである)。改装後のGP01は純粋な宇宙戦仕様としてRX-78GP01Fb=ガンダム ゼフィランサス フルバーニアンのサブタイプと通用名称が与えられた。また本機には主要兵装として従前より用意されていたエナジーパック供給方式のXBR-M82aビーム・ライフルに加え、GP03用に並行開発された高出力型のXBR-L83dオプションも使用可能とされたが、ルンガ沖砲撃戦では動作不良が発生し充分な性能を発揮することは出来なかったとされる。このFb仕様機の防御シールドは耐ビーム・コーティングを表裏に施したものへ変更されている。耐ビーム・コーティング技術はジオニック社では大戦末期にすでに実用化されていたもので、アナハイム社は本計画でも標準装備としてこの技術を導入していた。急造の改修機(改修作業は本機の開発専任システムエンジニア ニナ・パープルトン主導の下、48時間という驚異的なスピードで行われた)ながら、GP01Fbの性能は宇宙戦用機として充分以上の性能を発揮し、連邦軍観艦式攻撃後のGP02Aを捕捉、相打ちながら撃墜に成功している。ただしこの折コア・ファイターⅡの脱出システムはブースター・ユニットの損傷が原因で機能せず、パイロットのコウ・ウラキ少尉は機体からの自力脱出を余儀なくされた。 本機の完成度は4年後に再編が整うことになる連邦軍配備のモビルスーツに比しても、製造コストと運用の複雑さを除外して考査した場合、間違いなく優れたものであった。

※本企画の構成、テキストは当時MSVの設定考証企画に参画していた小田雅弘氏の協力をもとにROBOT魂 ver. A.N.I.M.E.用に書き起こしたものです。公式設定とは異なる場合がありますのでご了承ください。

※本企画の構成、テキストは当時MSVの設定考証企画に参画していた小田雅弘氏の協力をもとにROBOT魂 ver. A.N.I.M.E.用に書き起こしたものです。公式設定とは異なる場合がありますのでご了承ください。

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※画像はイメージです。実際の商品とは異なる場合がございます。

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