魂之骨格 第三十屆特殊技術導演佐川一雄
2011-10-05 00:00 更新
佐川監督の2回目は、劇中で印象的なガイアの登場シーン、 そして第1話の特撮シーンについて話を伺った。土砂を巻き上げ降り立つ巨人、水浸しになる地下街など、 これらの案は何処からもたらされたのであろう。そして数々のウルトラに関わってきた監督にとって、『ウルトラマンガイア』とはいかなる存在だったのであろう。
■ 普段から「もし怪獣が出現したらどうなるか」を真面目に考えることが大事なんです。
── 本作の主役ウルトラマンのガイアですが、出現時の土砂を舞い上げるシーンが印象的でした。
佐川 あれは僕も好きなシーンです(笑)。それまではウルトラマンは誰もが知る存在と思っていましたが、いつからか「ウルトラマンとは何だろう?」と考えるようになったんです。こんな考えをするようになったのは歳をとってからなんですけどね(笑)。これもそんな考えから生まれた発想で、体重4万2千トンの巨人が着地したらああなるだろうと。むしろ誰もやらなかったのが不思議なくらいですね。そこで「こんな映像を撮りたい」と話をしたら、操演の人がアイデアを出してくれて、その通りに撮ってみたら悪くなかった。本番では10倍速で撮れるカメラを使っています。そしたら他の監督さんも撮り始めちゃって。ああいう演出は大事なところで使うから良いのに(笑)。
── あのシーンは背景の照明も凝っていますね。
佐川 高感度フィルムを使えばそれほど難しい技術ではありません。またデジタル技術があったからこそ可能だった映像で、アナログでは白い背景に負けて細かい粒子までは映らなかったでしょうね。でもフィルムを使わないVTRだったらあの「味」は出せなかったと思うので、デジタルとアナログの違いを把握してないと難しいですね。ガイアは着地するシーンの他に地面を滑るシーンも撮りました。ウルトラマンの靴底に鉄板を履かせ、砂をまいたセットの上で滑らせ、それに合わせて火薬を爆発させたんです。タイミングが合わずに3回くらい撮り直しました。
── そして本編。佐川さんがウルトラの第1話を手がけるのは『タロウ』以来25年ぶりとなりますが。
佐川 そんなに経ちますか(笑)。『ガイア』のときは後に『コスモス』があるとは思っていなかったので、「見せられるものはすべて見せよう」と頑張りました。第1話の撮影はオープニングと今後も使えそうなシーンも撮っていたので40日もかかったんですよ。いや、実際にはそれ以上ですね。話が来てからストーリーボードを作り、何度も企画会議をしてイメージを固めました。それだけ力を入れないと皆さんも納得しないと思ったんです。初代の『ウルトラマン』や『帰ってきたウルトラマン』の頃ならここまでしなくても良かったと思います。でも『ガイア』の頃は「自分が関わるのはシリーズとしては最後かもしれない」という意気込みで撮りました。
── 怪獣の出現シーンが印象的でした。結晶に包まれた怪獣が着地すると地下貯水池が破裂し、地下街が水浸しになるという大スペクタクルでした。
佐川 ただ怪獣がドーンと落ちてくるだけでは面白くないので、以前に知人から聞いた地下貯水池を再現したんです。ただ、あれだけのセットを組むスペースがビルト(※)になかったので野外にセットを組んで撮影しました。大量の水を使うのでセットも水浸しになりますしね。最初のシノプスでは「怪獣が街に落ちてきて暴れる」としか書いてなくて、台本段階で地下街を壊すという描写を加えてもらい、特撮を前提にドラマを膨らませてもらいました。とは言え、あまり激しくやると子供が怖がるのでそこは加減しています。あれは第1話としては従来の4倍の予算をかけてしまったんですよ。後でかなり怒られましたね(笑)。
──佐川さんが撮影でこだわられていることは何でしょう?
佐川 「もし怪獣が実際に出現したらどうなるか」を真面目に考えることです。あと日々の観察力も大事なんですよ。円谷のオヤジさんには、味噌汁をかき混ぜているときに爆発の曇を撮る方法を思い付いた……という有名な話があります。自分の場合は電車が高架線を通ったとき、下に見える町並から怪獣の目線を考えたりしました。これは教わって身に付くものではないんですよ。
── それでは実際に「ULTRA-ACT ウルトラマンガイア(V2)」と「U.M.W. XIGファイター」をご覧になった感想をお聞かせ下さい。
佐川這個蓋亞的關節還能動嗎?太神奇了。令我印象深刻的是,戰鬥機上甚至塗有“污垢”。創建這個的人做了很多研究。實際的迷你模型無法製作得如此精確,而且由於它們是手工製作的,我們只能製作大約兩個。我很高興能從我 13 年前拍攝的影片中發佈出這樣的產品。如果《蓋亞》有的話,我會用它來拍攝(笑)。
── 最後請回答。從初代超人就開始涉足系列的佐川先生,“超人佳亞”站在什麼立場上呢?
佐川超人是一個關於青春的系列,所以對我來說很重要。而且由於系列持續時間太長,我們不得不一個接一個地拍攝“好鏡頭”。其中,《蓋亞》更能追求真實感。這部作品的形象自然而然地出現在我的腦海中,但我很驚訝我能在電視上做這麼多。託你的福,過了好久才想起(笑)。
※:東寶內置。在世田穀區的攝影棚拍攝了包括Ultra係列在內的許多電視劇和電影。2008年關閉。
佐川和雄(Kazuo Sagawa)
1939年10月29日出生
在東寶特殊技術部工作後,於1964年成立時加入了Tsuburaya Productions。
以《威武傑克》作為特效導演出道,先後參演過奧特系列、《猴子軍團》、《星狼》等多部yen作品。亦以特效導演活躍於美國、香港等海外國家。還參與了劇場版《幪面超人8騎士VS銀河王》、《BATTLE FEVER J》、《超口戰士Chanzerion》等東映作品。