魂の骨格 『DOUBLE DECKER! ダグ&キリル』フィギュアーツZERO 商品化記念 スペシャルインタビュー!
2018-12-13 10:00 更新
■三上哲【ダグラス・ビリンガム(ダグ) 役】 × 天﨑滉平【キリル・ヴルーベリ 役】
――ご自身が演じる役のご紹介からお願いします。
天﨑:キリルは「真っ直ぐなバカ」です。本人はバカをやっているつもりはないのですが、目の前の出来事にピュアに反応し過ぎてしまい、結果的には周りからバカに見られています。
三上:トラヴィスもバカなんだよね。SEVEN-Oにバカがもう一人増えた感じ(笑)。
天﨑:そのSEVEN-Oのメンバーにも愛されているし、アパートの大家さんとも喧々諤々としつつ仲良い関係を築いている。だからキリルは「人に恵まれるバカ」で「悪い印象を与えないバカ」なんだと思います。
三上:ダグはカッコ良いけど抜けたところもあって、まさに「大人」という印象ですね。達観しているけど冷めているわけではなく、何を考えてるか分からない節もある。そんな力が抜けたような感じに魅力を感じます。
天﨑:キリルは思っていることと口にすることが一緒なくらい真っ直ぐですが、ダグはこれまでの経験で培った思いがあるのに、それを決して言葉には出さすに飄々としているんですよ。そんなダグの台詞と心のギャップがミステリアスに見えました。
――天﨑さんは本作が初主演になりますね?
天﨑:そうです。「初主演です」という発表もさせていただきました。
三上:俺も同じです。海外ドラマや映画の吹き替えではありましたが、アニメーション作品の主役は今回が初めてです。
天﨑:初主演作なのでアフレコ前はかなり気負っていたんですよ。「主役として芝居以外でも能力以上の何かを出さなければならない」と思っていました。
でも本編に入る前のPVを録るときに三上さんとお会いして、面識ある方に相棒を務めていただく安心感からホッとしたんです。
そして実際にアフレコが始まると他のキャストさんや音響監督さん、監督さんにも助けられ、そのときにアニメーションは皆で作るものだということを再認識しました。「僕、なんで一人で気負ってたんだろ」と思いましたね(笑)。
三上:座長としてキャストを引っ張るのが上手い方もいるんですよ。自分も少しは頑張ろうと思うのですが、なかなか難しいですね。
天﨑:他の現場は座長が引っ張っているように見えたのですが、いざ自分の番になったら「座長は周りに支えられている」という印象でした。「座長でいさせていただいている」という感じです。
――周囲に助けられている感じが、ご自身が演じるキリルとイメージが被りませんか?
三上:周りからは「キリルっぽい」って言われますね。桂先生も「そのままだね」と仰っていたし(笑)。
天﨑:僕自身はそんなに被っている気はしないんですよ(笑)。
でも皆さんがそう言うのならそうなのかも知れません。もしキリル本人に聞いたら「絶対に違う!」って言うと思います。
――三上さんもルーキーと組むベテランという意味ではご自身と役を重ねたりはしませんか?
三上:声優の仕事を始めたのが遅かったので、自分の中ではまだ新人のつもりなんですよ。まぁ年齢はいっちゃってますけど(笑)。だから年の差は意識せずに一緒に頑張る仲間という感じです。
――演技でお二人が意識されていることは何でしょう?
天﨑:僕は相手の気持ちを汲むため空気を読もうとするのですが、キリルにはそういう考えはまったくないんですよ。
だから芝居をするときに「今日のキリルは考えすぎ」とか「思慮深くなりすぎ」ってご指摘をいただくことがありました。その言葉をいつでも思い出せるよう、台本の自分の台詞があるページに「キリルは愛されるバカ」って書きました(笑)。それはキリルを演じる上で忘れてはいけないことだと思ったので。
三上:たとえば先が悲しい結末だと分かっていると、知ったような芝居で喋ってしまうことあるよね。空気を読まない演技は難しいんですよ。
天﨑:裏表のない役って芝居がしやすそうに見えますが、それはそれで難しくて調整が必要なんですよ。
三上:ダグは台詞では分からない意味まで考えなければならないので大変です。台詞にない思いを想像しながら台詞に乗せ、「それは違う」と言われれば思いを変えて演技をやり直します。
だから最初はデリックが殉職したと思って演技したんですよ。そうしたら生きていて驚きました(笑)。
ただ、もし生きているのを知っていたら説明的な喋り方になっていたかも知れません。
天﨑:そういう意外な展開が多い作品なんですよ。他にも「そう思わせておいて、後でひっくり返す」展開があって驚かされます。
三上:だから最終回まで見た後、また最初から見直すと面白いですよ。僕らも台本をもらうのが楽しみでしたし。
天﨑:僕も楽しみでした(笑)。
三上:次回予告もある程度は内容を想像するのですが、次回の台本がない状況で想像するのが難しくて。
天﨑:しかも普通の予告じゃないから余計に難しいですよね(笑)。
三上:そうしたら「帰ってきたデリック」でしょう。本当に驚きました(笑)。
――キリル役はツッコミが多くて大変ではありませんか?
天﨑:大変と言うよりもニュアンスを変えるのが難しいんですよ。僕は毎回マックスで突っ込んでしまうので、もっと上げ下げを調整することが課題になりました。
三上:ツッコミは一本調子になりやすいからね。
天﨑:僕は大阪出身なので「新喜劇とか見て育ってるハズなのに、何で上手く突っ込めないかな」なんて悩んでいました(笑)。でもキリルが引っ掻き回すことで話が進むので、すごくやり甲斐のある役だと思いました。
――お互いの印象をお聞かせください。
三上:天﨑君は本当に真っ直ぐで可愛いいんですよ。俺は絶対にキリルに似ていると思いますが、決してバカではありません(笑)。
スタジオでは身体を動かしながら収録する姿が印象的でした。
天﨑:三上さんは先ほど「新人のつもりでやっている」と仰いましたが、それどころか後輩を尊重してくださるんです。そして尊重しつつも「この部分はこうした方が良いかもね」とか「こういうやり方もあるね」と教えてくださって、その度に僕の中では距離が近づいたような感じがして嬉しかったです。
――ご自身の役以外でお気に入りのキャラクターはいらっしゃいますか?
三上:ディーナは色々とブッ飛んでいて好きです。ドラマCDでも活躍しているし。あとマックスも意外と女子力高くて面白いよね。
天﨑:僕はトラヴィスが好きです。あの見た目でキリルと同レベルなのが面白いし、後の放送回でも彼のいい加減な部分が発揮されます。良い感じに引っ掻き回してくれる人ですね(笑)。あとソフィーちゃんも良い。
三上:あの舌ったらずな感じが良いよね。演じている遠藤綾さんが「私、滑舌悪いと思われたらどうしよう」と心配していますが、あれは演技で舌足らずに喋っているんですよ。あのように自然な舌足らずは大変らしく、毎回「舌足らずの深さが難しい」と言っていました。あとデリックも良いヤツだったね。
天﨑:面白いキャラでしたね。さすがダグとコンビを組んでいた男だなって思いました。
三上:現場では理想の結婚相手って言われていたよ。デリックなら良いパパになりそうだしね。
でもダグはダメだと思う(笑)。
――では今回発売されるフィギュアーツZEROを実際にご覧になった感想をお願いします。
三上:ダグは髪の再現度が素晴らしいですね。アニメで描き難いデザインだと聞いていたので。
天﨑:細かいですねぇ。腰のホルスターとか細かい部分が一体ではなく、ちゃんと別パーツになっているのが凄いです。あと服にシワがあるのが本物っぽいですね。裾もぶ厚くならずに薄く作られているのは感動しました。
――魂ネイションズの商品は15歳以上対象なので普通のフィギュアとは基準が違うんですよ。だから細かいパーツも作ることが出来るんです。
三上:コートの色も良いですね。ギラギラ感がしっかり出ていて。
天﨑:顔もめちゃくちゃ細かいですね。リボルバーもちゃんと塗り分けされているのが凄いです。
――このシリーズで欲しいアイテムはありますか?
三上:この完成度で他のバディも欲しいです。6人揃えてエンディングを再現できるようにしたら面白いですよ(笑)。
天﨑:そのためには可動式にしていただかないと。
三上:あのエンディングの最後ってダグが後ろ向いてるでしょう。田村プロデューサーに「何か意味があるんですか?」って聞いたら「意味はないです」って言われました(笑)。
天﨑:僕は「背中を預けられる存在」という意味だと思ってました(笑)。
そして同スケールの車やSEVEN-Oの部屋があったら楽しいですよね。
三上:基地遊びが出来るね(笑)。
天﨑:あと警察官の制服を着たキリルが可愛かったので、あれを可動フィギュアで出してほしいです。あとダグ達が腰に付けてる機械があるんですよ。アンセムの使用者に合わせて薬の弾を出すんですけど、あれを変身ベルトみたいな感じで作ってほしいですね。
三上:飛び出した弾をキャッチする練習しないとね。何個か予備を付けてくれないと無くしちゃいそう(笑)。
――ではお二人から番組宣伝を含めたメッセージをお願いします。
三上:『DOUBLE DECKER! ダグ&キリル』は格好良いけどコメディもあって、シリアスとギャグのバランスが良いアニメです。そして音楽も良いし、色々な要素があるんですよ。それでいて気楽に見られる作品です。
天﨑:あと随所にちょっとしたオマージュがあったり、くだらないシーンかと思ったら後々の伏線だったり、先の展開が本当に分からない作品です。あと、ほとんどのエピソードが一話完結になっているので、一話見逃しちゃった方でも途中から入ってきた方でも絶対に楽しめると思います。ぜひ見てください!
■桂正和【メインキャラクターデザイン】 × 田村一彦【プロデューサー】
――まずは、本作への参加経緯からお聞かせ下さい。
桂:次は刑事モノをやりたいと聞いたのが2014年頃でしたよね。
田村:元々前作品のドラマCDで警察ネタのある話を作りました。その際にバンダイナムコアーツ松井さんや脚本家の皆さんと一緒にオリジナル刑事ものをやれたらいいなというところから始まった企画です。
桂:その頃はまだ監督も決まっていない状態でしたけど、僕は「今度は女の子だらけにしたい」と提案したんです。僕の勝手な最初のイメージとして主役の2人が割とハードボイルドな感じなんだけど、女子だらけのキャピキャピした部署に配属されたらギャップが生まれて面白くなるだろうし、男性ファンにもアピールできるんじゃないかなと。
まあ、そのときはあまり責任感もなく「そうしたら面白いんじゃない?」程度だったんだけど、田村さんや脚本の鈴木(智尋)さんも「それで行きましょう」と受け入れてくれたんですよね?
田村:そうですね、「女子だらけ」というのが、最初に決まった事柄でしたね。
桂:最初に描いたのはディーナの原型で、鈴木さんや古田(丈司)監督が「どういうキャラクターにしようか」と打合せしているところに呼ばれて、パパっと描いたのを覚えています。
個人的には当初デフォルメっぽいキャラクターで行きたいなと考えていたんだけど、監督は「スチームパンクっぽいイメージで、リアル寄りにしたい」ということだったので、それを尊重しつつ。
その頃はダグが主人公の予定で、監督からは「髪型は天然パーマで」と言われたんだけど、『ガンダム』や『イデオン』、『カウボーイビバップ』などなど、サンライズアニメの主人公は天パーが多いから、それしか頭に浮かばなくなってしまって(笑)。
――確かに天パー率高めかも知れません(笑)。
桂:だから、あまり天パーっぽく見えないかも知れないけど、無造作にピンピン跳ねてる感じにしてみました。当たり前ですけど、その辺りのニュアンスは3Dモデリングでもキチンと再現されていますね。
一方キリルは「中性的な男子がいい」という意見があったので、そこを意識して描きました。
田村:ある程度設定が決まったところで、オリジナルものですから先に進めるために企画書を作成する必要性がありました。その話を先生にさせていただき、かなり早い時期から描いていただきました。
桂:ダグとキリル、ディーナとケイを含めた4人の原型を。そのラフ4枚を使った最初の企画書が通らなくて、2回目に出すときに「もうちょっとビジュアルが欲しい」と言われて、美術設定とかと一緒に僕の絵も増やして。
田村:やはりオリジナル物ですから、なかなか伝えられず絵で引っ張っていくしかなかったんです。
桂:「刑事モノで、こういう絵です」という情報だけで、他はほぼ何も決まってない(笑)。だからもう、僕も企画者として名前を載せて欲しいくらいで。
――その企画書の段階で2015年ということですから、仕込みは本当にかなり以前から始まっていたのですね。
田村:相当時間掛かってますね、シナリオ打ちもかなり前から定期的にやっていましたし、シナリオ自体は2017年で全て完成させてます。
桂:僕も、設定や脚本の会議にまで参加させられてましたね。僕の仕事じゃないのに(笑)。会議に呼ばれて、固まって行く段階を見てました。
――キャラクターデザイナーがそういう会議にまで参加するのは、割と普通のことなのですか?
桂:かなり珍しいと思いますよ(笑)。普通だったらまず打ち合わせで固めたものを用意して、「こういう設定でお願いします」というのをキャラクターデザイナーに投げるものなんだけど、なぜかそうはしてくれない。
田村:ただ、参加して頂いた方が意思の疎通や進行状況も掴みやすいですし、桂先生の意見も頂けるだろうということで、当初から参加をお願いしていました。メインスタッフそれぞれの考え方もありますし、なるべく早い段階で直接すり合わせた方が、良いものになるかなと。
桂:結局優し過ぎるんですよ。全員の意見を立てようとするところがあって、僕も呼んだ上で程良い着地点で落とそうという魂胆があるわけです。
田村:そうですね、そうかも知れないです(笑)。
桂:全員が納得した上で形にして行こうとするところは……良く言えば温かい人なんですけど、間に立つのが嫌とか、そういうところもあるかも知れない(笑)。
田村:いやいや、そこまで計算づくじゃないですよ。やっぱりアニメはみんなで作っていくものですから、そうしたいんです。
――そういう流れの中でメインキャラクターの人数や性格も徐々に固まって行ったと思うのですが、各キャラの発注はどんな感じだったのですか?
田村:最初は文章でメモレベルの設定をお渡ししました。そのキャラクターのイメージカラーと「こういう性格」というような、本当に簡単な説明がある程度ですね。
そのあとシナリオなど並行に作成して共有しながら固めていった感じです。
――各キャラクターのイメージカラーについては、どのように決めて行ったのですか?
田村:ダグなどは最初期の段階で、イギリスの刑事のイメージで赤にしようという案がありました。
桂:ダグの「赤」は覚えがあるけど、キリルのイメージカラーは最初は決まってなかった気がする。
ダグは当初主人公扱いだったから赤で、キリルは何か別の色だった気がするんだけど、僕が描いたラフで髪の毛を薄紫に塗った奴があって、「じゃあ紫にしよう」と決まったような。確か、そこからヴルーベリって名前も決まったのかなあ?
田村:桂先生の絵を見ることで、イメージカラーやコードネームなどを固めて行った部分も大きいですね。
桂:キャラクターに関しては、ほとんど決まってない内から僕の方で先行して描いていたので。
田村:その苦労はありますよね。先生にしかわからないところです。
――どんなエピソードが用意されているかも分からない状態で、ラフデザインを描かれたのですか?
桂:基本的にはそうですね。一応会議にも出ていたからキャラクターについて大まかに知っていましたし、後になってプロットなども送られて来ましたけど。
田村:先生が先行して描いて下さったおかげで、絵の雰囲気を頼りにキャスティングなどにも反映させることができました。
桂:「表情のバリエーションも一緒に欲しい」と言われて色々と描いたんですけど、ダグについては「喜怒哀楽の乏しいポーカーフェイス」という鈴木さんのイメージを先に聞かされていたので、バリエーションはほとんど描いてないんです。
あとキリルがあんなにバカになるのは予想外でした(笑)。
田村:キリルは可愛げが出るようになりましたし、ダグとのギャップも生まれて面白いキャラになったと思います。
桂:最初は「中性的」というだけだったはずなのに、あんなことになって。
そこは、鈴木さんの功績だと思いますね。
――では、後でお話を観て「こういうキャラになったのか!?」という驚きもあったのでは?
桂:そうですね、実はあまり良く分かってないまま描いてるから、オンエアを観て「あ、こう来たか。面白いな」って思ったりしてます(笑)。
僕が資料をあまり読み込まないのは、自分の中で勝手に妄想を膨らませて自由な発想で描けるからなんですけど、あまり詳しく知らない方が観たときに楽しめるからというのもあって(笑)。
田村:アフレコのとき、「こんなキャラだったんだ!?」って言ってましたよね。
桂:そう、ほぼ知らないから(笑)。
――デザインを固めていく上で、桂先生とのキャッチボールはどのように行っていたのですか?
桂:キャッチボールはないですね。大体任せっ切りなので。
田村:すみません(笑)。
桂:ある程度キャラクターが固まり始めたところで「スチームパンクの要素を加えよう」ということになったんですけど、ディーナは'60~70年代のイメージだし、ケイちゃんは新人なのでフレッシュな女刑事っぽくしていて、このままではスチームパンクにはならない。
それで、ダグとキリルに着せていたシールドコートを全員に着せてスチームパンクっぽさを出そうということになったんだと思うんですけど……それで私の仕事が増えまして。
田村:そうでしたね、大変ですよね。
――実際にアニメを観ると、桂先生のキャラクターデザインが忠実に再現されていて、驚かされました。
田村:スタッフ全員そうなんですけど、とにかくみんな真面目なんです。
特にアニメーションキャラクターデザインの板垣(徳宏)さんは、桂先生の絵を再現するのにものすごく意識しております。だからそういうふうに見えるんだと思います。
――メインキャラの再現度はもちろんとして、脇のキャラは板垣さんが桂先生のデザインに合わせて描かれているそうですね。改めてでき上がりを観ていかがですか?
桂:もうね、僕のデザインに対しての誠実さをひしひし感じました。すごいクオリティで満足していますし、有難くてしょうがないです。外人キャラについては僕が描くより上手いかも知れないなと思いました。大家さんにしてもデリックにしても世界観にピッタリで、その辺りは流石だなと思いましたね。特に大家さんなんかは、僕からは出て来ないタイプのキャラかも知れない。
――プロデューサー側から作画サイドへ、細かい指示を出すでもなく?
田村:そこはスタッフが自主的に取り組んでいます。それであのクオリティに仕上がっているので、本当に敬意しかありません。
桂:キャラデザ参加のアニメだと、モブキャラが出て来た途端に「僕の絵じゃないな」と思ってしまうこともあるんですけど、そういうズレがないんですよね。
田村:先生の描かれたメインキャラは支柱であり、モブキャラとかはみんな楽しんで描いている感じですね。
――エンディングに登場する各キャラの3Dモデルも、非常に出来が良くて驚きました。
田村:あれは顔を作る人や服を作る人など、パーツごとに全部バラして作業しているんですけど、線の多いキャラクターをアニメの絵とほぼ遜色ないところまで持っていくのに、下準備も含めてかなり時間を掛けています。
――当然、それらは桂先生も監修されて?
桂:そうですね。CGの方もモデリングはかなり良い出来なのですが、「明らかに変でしょ?」という部分に関しては直しましたね。
――作風に昭和の刑事ドラマっぽさも感じられるのですが、その辺りは意識されていたのですか?
田村:物語の世界観はイギリスっぽいイメージですけど、最初からオマージュとして色んなドラマの要素や雰囲気を採り入れようと企画メンバーみんなで考えてました。
――3話の冒頭でSEVEN-Oのメンバーが使っている銃のバリエーションが紹介されていましたが、銃へのこだわりも本作のポイントだと思います。
桂:SEVEN-Oのメンバーが使うカスタム可能な銃は最新タイプという設定で、安藤(賢司)さんがデザインしているんですけど、ダグは昔気質で古いものが好きという設定だったので、彼の銃は僕がデザインしました。
スタンダードな銃にカスタマイズを施しているという設定で、フロントとリアにサイトが、銃口の下には組み込み式のレーザーポイントが付いていて、タクティカルライトもセットできるようになっているんですけど……せっかく付けたんだし、劇中でもっと活かして欲しいんだけど。
田村:細かい設定が本当にたくさん詰め込まれた作品なんですけど、尺が足らなくてなかなか活かせないんですよね……。
――マニアックな銃のお話が出たところで、フィギュアーツZEROシリーズは現在受注中ですが、それ以外でお2人が欲しいと思う関連アイテムについてもお聞かせください。
桂:やっぱり可動フィギュアは出して欲しいですね。あとは警察のマスコットキャラ(トリシマルくんとマモルくん)も描いたので、それのフィギュアストラップがあると嬉しい。スマホに付けられるサイズで。
田村:サイズまで指定しますか(笑)。
桂:それに可動フィギュアはシールドコートを着ている奴で揃えたいですね。
――最近は布地を使ってマントなどを表現するフィギュアも増えているので、ちゃんとコートがはためいたりすると嬉しいですね。
桂:ぜひ、そういうのでお願いします(笑)。
田村:僕も可動フィギュアが欲しいんですけど、できれば大きな、1/6サイズがいいんですけど。
桂:1クール作品だし、そこまでは期待できないけどね。
田村:そうですね……そんな我がまま、聞いてくれないですよね。
桂:まあでも、欲しいものは言っておいた方がいいよ。
田村:欲しいです(笑)!
桂:あとは、やっぱりモデルガンかな。せっかく細かいところまでこだわって描いたので、モデルガンで活かしてくれると嬉しいですね。
田村:『DOUBLE DECKER! ダグ&キリル』はパトカーやバイクなどのメカもすごくカッコ良いので、そちらのプラモデルも欲しいです。
桂:あれ、僕のデザインじゃないからなあ(笑)。でも、あの車は変形するし、ああいうのをプラモで欲しいというのは分かる!
――では最後に、これからの物語後半を楽しんで頂くためにも、ファンへのメッセージをお願いします。
田村:僕は純粋な娯楽を目指しているので、何も考えずに観て笑って楽しんで頂ければ、それが一番ありがたいです。
桂:描かれない部分やパッと見だと気付かない部分にもやたらこだわって作っている作品なので、一時停止して確かめたりしながら楽しんでもらいたいですね。
※本記事の内容は、10月発売の「フィギュア王NO.249」に掲載されたものです。
【プロフィール】
三上哲【みかみ・さとし】
6月8日生まれ、東京都出身。ネクシード所属。俳優として『はみだし刑事』、『BOSS』など数々のドラマで活躍。『仮面ライダードライブ』第34話にも監察医役で出演した。アニメの代表作は『サムライフラメンコ』、『THE REFLECTION』など。また洋画『SHERLOCK』や『ドクター・ストレンジ』でベネディクト・カンバーバッチの吹き替えも担当している。
天﨑滉平【あまさき・こうへい】
10月22日生まれ、大阪府出身。アイムエンタープライズ所属。代表作は『ハイスコアガール』、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』、『徒然チルドレン』、『鹿楓堂よついろ日和』、『アイドルマスター SideM』など。三上氏とは本作以前に『迷家-マヨイガ-』で共演している。また『天﨑滉平・大塚剛央の「僕たちもう、フレンドですよね?』などラジオのパーソナリティーとしても活躍中。
桂正和【かつら・まさかず】
1962年12月10日、福井県生まれ。専門学校在学中に、「週刊少年ジャンプ」にて漫画家デビュー。その後連載を開始した『ウイングマン』でヒットを記録すると、SF色や恋愛要素の強い作風で絶大な人気を獲得した。代表作に『電影少女』『D・N・A2 ~何処かで失くしたあいつのアイツ~』『I"s』『ZETMAN』 などがある。
田村一彦【たむら・かずひこ】
1971年9月29日、埼玉県生まれ。サンライズに入社し、『ママは小学4年生』『疾風!アイアンリーガー』『機動武闘伝Gガンダム』『センチメンタルジャーニー』『ケロロ軍曹』など多数の作品に関わる。『TIGER & BUNNY』シリーズ、『DOUBLE DECKER! ダグ&キリル』のプロデューサーを務める。
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