彩色においては酒井ゆうじ氏から提供された、当時の撮影用スーツ制作で実際に使用された塗料が色見本となっている。この当時を再現したカラーを使用することで、より本物感あるゴジラを再現。さらに造形で追加されたテクスチャーは、彩色との整合性が考慮されており、塗装時の陰影、皺感などスケール感をより強調する演出が施されている。造形と塗装、互いの技術の集積がHuman size ゴジラ(1991 北海道Ver.)として結実する。また、塗装はエアブラシによる手作業。 デジタルと手作業の融合がそのクオリティを支えている。
Human size ゴジラ(1991 北海道ver.)のサイズ全高約185㎝(台座を含まない)、全長約305㎝は当時の通称”ギドゴジ”のスーツサイズを再現したものである。造形においてスケールに応じたバランス感は大きな“キモ”となる。当然、いくら精度の高い3Dデータと言えど、そのままのデータを等身大サイズで出力してしまえば、それは似て非なるものとなってしまう。スケールを変えて出力する際には各部のバランス調整が必要となる。この“匙加減”には、やはりデザインココが等身大フィギュア制作で長年培ったノウハウが大きなアドバンテージとなっている。Human size ゴジラ(1991 北海道ver.)はデザインココの経験則を踏まえたデータ調整の上、まずは出力。さらにこの出力サンプルを人の目で確認し、再調整を行いながらベストなディテール感が追求されている。 酒井氏の監修により秘蔵のゴジラ資料を基にスーツサイズに応じたディテールが造形された質感もその特徴である。
※実際の商品は台座に固定されます。台座からの取り外しはできません。
Human size ゴジラ(1991 北海道ver.)は酒井ゆうじ氏による原型をスキャンすることから、その制作が始まった。一般的に3Dスキャンはハンディスキャナなどでフォルムをデータ化するが、Human sizeではさらに一歩踏み込み、産業用X線CTによる透過スキャンをも駆使。口内や背びれといった入り組んだ形状、各部の詳細なディテールまでをデータ化している。このデジタル化はすべて工学的な理論に基づいており、デザインココのエンジニアリング技術と経験値をベースに、ゴジラのイメージ、そして酒井ゆうじ氏の圧倒的な造形力を数値として解析。この高精度の3Dデータ化により、Human size ゴジラ(1991 北海道ver.)の圧倒的な存在感を実現している。
3Dデータからの出力にはデザインココが等身大フィギュアのために独自開発した高精度3Dプリンター「COCO MIYAGI 76」が用いられている。このプリンターはフレーム構造と駆動部を一体化させた新構造によって圧倒的な造形領域を誇り、最大で縦600㎜×横600㎜×高さ700㎜サイズの出力を可能とする。この国内最大級の造形寸法をもつ3Dプリンターを用いて、酒井ゆうじ氏の原型をスキャンした3Dデータを細かくパーツ分割して出力。このパーツ分割により、部分ごとの形状確認が幾度も行われた。
特に“顔”部分の造形に関しては、幾度となくトライ&エラーが繰り返されて、ゴジラのイメージを具現化させている。さらにこの3Dプリンターで作った造形に対し、テクスチャーを追加するなどのブラッシュアップが行われ、抜き型を仕上げている。通常、造形物の大型化に伴い“エッジ”は甘くなってしまうのだが、Human size ゴジラ(1991 北海道ver.)では“エッジ”にもこだわり、牙や爪、背びれなどシャープさのある造形を再現。圧倒的な迫力でゴジラを立体化している。
Human size ゴジラ(1991北海道ver.)は原型を制作した酒井ゆうじ氏自らが監修。酒井氏は映画撮影当時実際に使用した塗料の他にも目や皮膚などの秘蔵の資料を提供し、その方向性を示した。クリエーター同士が現場レベルで直接やり取りを行う事で、より純度の高い酒井ゆうじ氏の原型哲学が反映されている。 造形担当であるデザインココの様々なノウハウが盛り込まれ、酒井氏の徹底監修で製作されている。ゴジラの皮膚感は特にこだわった箇所であり、酒井氏は「今は存在しないギドゴジスーツの再現を目指した。」と語る。酒井ゆうじ氏の造形哲学を宿したゴジラフィギュアの最高峰が史上最大のスケールでその勇姿を魅せる。
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