一年戦争におけるジオン公国軍による地球侵攻作戦当初、地上での戦闘においては地球連邦軍の航空戦力が大きな脅威となることが予想された。それに対処するための対空戦力として、陸戦用の「MS-06 ザクII」をベースにした“対空兵器を装備したザク”が提案されたが、実戦においてMSに対空兵器を装備させる必要性が低いことが判明。計画は一時凍結されてしまう。
だがその後、地球連邦軍が開発した「RX-77-2 ガンキャノン」が実戦投入されたことで、状況が一変する。「RX-77-2 ガンキャノン」は、対MS戦において中距離からの砲撃による戦闘支援型として活躍し、大きな戦果をあげていた。そこで、ジオン公国軍側も“対空兵器を装備したザク”を“中距離支援用の砲撃型MS”として開発する方向にシフトし、「MS-06K ザク・キャノン」が誕生することになる。
「MS-06K ザク・キャノン」は、主武装としてバックパックと一体型の180mmキャノン砲を取り付け、補助兵装として腰部にビッグガンと呼ばれるミサイルポッド/ランチャーを装備することで運用の幅と砲撃能力を高めている。また、こうした武装に合わせて本体の改良も施された。頭部は索敵範囲を拡大する全周式のモノアイの採用に加え、頭頂部にサブカメラと短距離通信アンテナを追加することで通信機能と部隊連携能力を向上。指揮官機には、頭頂部アンテナを増設して2本のブレードアンテナを装備したタイプも採用されている(通称“ラビットタイプ”)。また、武装増による機動力の低下を補助するために、脚部には「MS-07B グフ」に採用された補助推進装置が追加され、肩アーマーも形状変更されるなど、単なる装備変更以上の改良が施されていた。
試作機の完成後、1号機は北米のキャリフォルニア・ベースでロールアウトし、北米中部や西アジア地区でのテスト運用を目的とされ、砂漠地帯で目立たないようサンドカラーで塗装されていた。その後、制式採用時は低視認性迷彩(ロービジリティー塗装)のダークグレーの塗装が施され、北米戦線を中心に活躍した。
一年戦争後は、一部機体が地球連邦軍に接収・改装されグリプス戦争に投入されていた他、U.C.0096には地上に残ったジオン軍残党のゲリラ部隊による運用も目撃されている。
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